Webサイト制作は「準備 → 設計 → デザイン → コーディング → テスト → 公開 → 運用」の流れで進み、中小規模のコーポレートサイトなら公開まで1〜3か月が一つの目安です。どこに時間がかかるのか、何を自社で用意するのかが分かれば、見積もりも納期も一気に読みやすくなります。
「初めて制作を頼むので、何から始めればいいのか分からない」「気づいたら納期が延びていた、という話を聞くと不安になる」。制作のご相談をいただくとき、最初に出てくるのはこうした声です。流れが見えないと、費用も期間も判断のしようがありません。
この記事では、現役でWebサイト・LPを制作している立場から、制作の全体像と各工程の中身、つまずきやすいポイント、そして「自分で進める場合とプロに任せる場合」の分かれ目まで順番に整理します。読み終わるころには、自社の制作で次に何をすべきかがはっきりするはずです。
Webサイト制作の流れ【全体像】
まず全体像をつかみましょう。Webサイト制作は大きく7つの工程に分かれ、それぞれに必要な期間があります。下の表は中小規模サイトを想定した目安です。
| 工程 | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① 準備・要件整理 | 目的・ターゲット・掲載内容の決定 | 1〜2週間 |
| ② 構成・サイト設計 | ページ構成、サイトマップ、ワイヤーフレーム | 1〜2週間 |
| ③ デザイン | デザインカンプ作成・確認 | 2〜4週間 |
| ④ コーディング・実装 | HTML/CSS・CMS構築 | 2〜4週間 |
| ⑤ テスト・確認 | 表示・動作・スマホ対応のチェック | 1週間前後 |
| ⑥ 公開 | サーバー・ドメイン設定、本番反映 | 数日 |
| ⑦ 運用・改善 | 保守・分析・更新 | 公開後ずっと |
期間は「ページ数」よりも『どこまで作り込むか』で変わります。LP1枚なら数週間、ページ数の多いコーポレートサイトやECサイトなら3〜6か月かかることもあります。最初の準備(①②)にきちんと時間をかけたプロジェクトほど、後半の手戻りが減り、結果的に早く・安く仕上がります。
STUDIOで建築・人材分野のサイトを制作してきた経験でも、費用と期間が膨らむ最大の原因は「途中で要件が増えること」でした。逆に言えば、入口の整理さえできていれば、見積もりは大きくブレません。
Webサイト制作前の準備段階
準備は地味ですが、ここの精度がサイトの成果をほぼ決めます。「とりあえずきれいなサイトを」では、見た目は良くても問い合わせにつながらないサイトになりがちです。
目標・目的の明確化
最初に決めるのは「このサイトで誰に何をしてほしいか」です。問い合わせを増やしたいのか、採用を強化したいのか、商品を売りたいのか。目的が変われば、必要なページもデザインも変わります。
たとえば「月に問い合わせを5件増やす」のように、できるだけ数字で置くのがコツです。この一文が、後のデザインやコンテンツ判断の“ものさし”になります。
ターゲット・ペルソナ設定
次に、届けたい相手を具体化します。ペルソナ(理想の顧客像)を決めると、言葉づかい・載せる情報・写真の雰囲気まで自然と決まります。
私たちがヒアリングで最初に確認するのも、まさにここです。『この人に響くか』を基準にすると、ページの取捨選択で迷わなくなります。
競合・市場の調査
同業他社のサイトを3〜5社ほど見ておくと、自社が打ち出すべき強みが見えてきます。デザインの方向性、載せている情報、問い合わせ導線の作り方を観察してください。
真似をするためではなく、「ここは自社のほうが具体的に語れる」という差を見つけるための作業です。
掲載内容とサイト構造の設計
目的とターゲットが固まったら、どのページに何を載せるかを整理します。トップ、サービス、実績、料金、よくある質問、問い合わせ——訪問者が知りたい順に並べる作業です。
この情報設計(どこに何を置くかの設計)ができていると、制作会社との打ち合わせが一度で済み、見積もりの精度も上がります。発注前に、掲載したいページを箇条書きにしておくだけでも十分役立ちます。Webサイトには目的別にいくつもの種類があるので、迷う場合はWebサイトの種類と選び方もあわせてご覧ください。
制作プロセスの詳細
準備が整うと、いよいよ手を動かす工程に入ります。ここからは制作会社の領域ですが、流れを知っておくと「いま何をしている時間なのか」が分かり、やり取りがぐっと楽になります。
デザイン(ワイヤーフレーム→デザインカンプ)
まずワイヤーフレーム(色をつける前の配置図)で、どこに何を置くかを決めます。次に、その骨組みに色・写真・ブランドの世界観をのせたデザインカンプ(完成見本)を作ります。
この段階で迷いを残さないことが大切です。デザインで決めきれなかった部分は、後のコーディングで必ず手戻りになります。気になる点は遠慮なくこの時点で伝えてください。
コーディング・実装とCMS選定
デザインが固まったら、ブラウザで動く形に組み上げます。あわせて、公開後に自社で更新したい場合はCMS(サイトを管理画面から更新できる仕組み。WordPressなどが代表例)を導入します。
「公開後、誰がどこまで更新するか」をここで決めておくと、運用がぐっと現実的になります。更新を社内でやりたいのか、制作会社に任せたいのかで、選ぶ仕組みが変わります。
テスト・品質チェック
実装が終わったら、公開前のチェックです。パソコン・スマホ・タブレットでの見え方、主要ブラウザでの表示、問い合わせフォームの送信テストなどを一通り確認します。
特にスマホ表示は念入りに見てください。いまや多くのサイトでアクセスの半分以上がスマホからです。
サーバー・ドメイン設定と公開
チェックを通ったら、本番公開です。独自ドメイン(自社の住所にあたるURL)の設定、SSL(通信を暗号化する仕組み)の導入を済ませてから反映します。
公開日に合わせて、SNSやメールでお知らせを出すと、初速のアクセスを取りこぼしません。
※「自社の場合はどの工程にどれくらいかかる?」が気になったら、概算スケジュールと費用感を無料でご相談いただけます(要件が固まっていない段階で大丈夫です)。
失敗しないための押さえどころ
同じ予算でも、いくつかの勘所を押さえるだけで成果は変わります。ここは「作る前に知っておくと得をする」ポイントです。
使いやすさ(UI/UX)を最優先にする
UI/UX(画面の使いやすさと、訪問者が感じる体験のこと)が悪いと、どんなにデザインが凝っていても離脱されます。欲しい情報に最短でたどり着けるか、問い合わせボタンが迷わず押せるかを基準にしてください。
スマホ最適化(レスポンシブ対応)
レスポンシブデザイン(端末の画面サイズに合わせて表示が変わる作り)は、いまや必須です。スマホでの見やすさは、検索順位の評価にも影響します。
基本のSEO対策を仕込んでおく
SEO(検索結果で上位に表示されるための対策)は、公開後に後付けするより、制作時に仕込むほうが効きます。ページの見出し設計、表示速度、内部リンクの整理を最初から意識しておきましょう。
公開して終わりにしない(継続改善)
サイトは公開してからが本番です。アクセス解析で「どのページがよく見られ、どこで離脱しているか」を見ながら、PDCA(計画→実行→検証→改善の繰り返し)を回していくと、成果は後から伸びていきます。
自分でやる場合とプロに頼む場合
ここまで読んで、「やることが多い」と感じたかもしれません。実際、Webサイト制作は工程が多く、片手間で完成度を出すのは簡単ではありません。だからこそ、外注するかどうかの判断軸を持っておくことが大切です。
外注と内製の判断軸
判断のポイントはシンプルです。下の比較で、自社がどちらに当てはまるかを見てください。
| 内製(自分で) | 外注(プロ) | |
|---|---|---|
| 費用 | 抑えられる | 制作費がかかる |
| 完成度・成果 | 経験次第でばらつく | 型があり安定しやすい |
| 時間 | 本業の時間を圧迫する | 本業に集中できる |
| 向いている場合 | 社内に作れる人と時間がある | 目的が明確で早く確実に出したい |
社内に作れる人がいて、その人の時間を割けるなら内製。そうでなければ外注が現実的です。「自分で作れば安い」と思っても、本業の時間を削って数か月かけ、結局成果が出なければ高くつきます。逆に、目的が明確で要件を渡せるなら、プロに任せたほうが早く・確実です。
制作会社選びで見るべき点
会社選びでは、まず制作実績(過去に作ったサイト)を見てください。自社が目指す方向性に近いものを手がけているか、問い合わせへの返信が早く丁寧かは、そのまま制作中のやり取りの質につながります。
私たちがご相談を受けるときも、最初に確認するのは「このサイトで誰に何をしてほしいか」です。そこを一緒に言語化できる相手かどうかが、満足度を大きく左右します。サイトの作り直しを検討している場合は、サイトリニューアルのチェックポイントも参考になります。
見積もりの取り方と費用感
見積もりを依頼するときは、ページ数・必要な機能・原稿や写真を自社で用意できるか・希望納期を伝えてください。前提をそろえて複数社に依頼すると、金額の比較ができます。
安さだけで選ぶと、原稿も写真も自前で用意する条件だった、というずれが起きがちです。費用の中身を具体的に知りたい方は、LP制作の費用相場と選び方で価格帯ごとの中身を確認してください。
契約と権利の確認
契約時には、制作データの所有権、公開後の修正対応、写真素材のライセンスを書面で確認しておきましょう。ここを曖昧にすると、あとで「修正は別料金だった」といったトラブルになりかねません。
公開後の運用・改善
公開後の運用まで見据えておくと、サイトは“資産”として育っていきます。逆に放置すると、せっかく作っても古い情報のまま埋もれてしまいます。
保守・セキュリティ対策
CMSやプラグインの更新、バックアップ、SSLの維持など、最低限の保守は欠かせません。社内で見るのが難しければ、保守契約で任せる選択肢もあります。
アクセス解析で成果を測る
Googleアナリティクスやサーチコンソール(どちらも無料のアクセス分析ツール)を入れておくと、どのページが見られ、どこで離脱しているかが分かります。改善の出発点になります。
コンテンツとSNS・広告の連動
記事を追加して検索からの集客を育てつつ、SNSや広告で入口を広げると、サイト単体より早く成果が出ます。コーポレートサイトの役割や活かし方は、コーポレートサイトとはでも解説しています。
ここまで読んで「自社の制作、何から始めればいいか整理したい」と感じたら、それが相談のタイミングです。進め方の地図づくりからお手伝いします。
Web制作の相談、はじめの一歩
いきなり発注ではなく、まず「うちの場合いくら?どれくらいかかる?」の整理から。概算スケジュールと費用感を無料でお伝えします。しつこい営業はしません。
Studio Experts加盟/建築・人材などの制作実績、士業・飲食の制作サンプルあり・オンライン相談で全国対応
よくある質問
Q制作期間はどのくらいかかりますか?
規模によります。LP1枚なら数週間、中小規模のコーポレートサイトで1〜3か月が目安です。要件が固まっていると、ここから短縮できることもあります。
Q公開後、自分たちで更新できますか?
CMSを導入すれば、お知らせやブログなどは管理画面から自社で更新できます。どこまで自社で行い、どこを任せたいかを事前に決めておくと、最適な仕組みを選べます。
Q今のドメインはそのまま使えますか?
使えます。既存ドメインを引き継いで公開できます。リニューアルの場合は、検索順位を落とさないための設定(リダイレクトなど)もあわせて行います。
Q原稿や写真は用意が必要ですか?
ご用意いただけると費用を抑えられますが、原稿作成や撮影手配を含めて任せることも可能です。見積もり時に、どこまで自社で用意できるかをお伝えください。
参考情報
- 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト(公開後のセキュリティ対策の基礎)
- IPA 情報処理推進機構 情報セキュリティ(中小企業向けの対策資料)
- Google検索セントラル SEOスターターガイド(基本のSEO対策)
- JPNIC(ドメイン・IPアドレスの基礎知識)