「ホームページを作りたいけれど、費用が負担。補助金が使えるなら使いたい」。発注を考える方から、よくいただく相談です。
結論から言うと、ホームページ制作に使える補助金はあります。ただし、どんなサイトでも自由に使えるわけではありません。制度ごとに「対象になる経費」や「申請できる人」が細かく決まっていて、条件を外すと採択されません。ここを知らずに「補助金ありき」で進めると、あてが外れてしまうことがあります。
この記事では、ホームページ制作で候補になる2つの主な補助金の中身・使うときの注意点・そもそも補助金ありきで決めていいのかを、専門用語をかみくだいて整理します。制度は年度で変わるため、最新の詳細は必ず各公式でご確認ください。
ホームページ制作で候補になる主な補助金は2つ
まず全体像です。ホームページ制作の費用に使える可能性がある国の補助金は、主に次の2つです。それぞれ性格がまったく違うので、自社に合うのはどちらかを見極めるのが第一歩です。
| 制度名 | 向いているケース | ざっくり上限 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 予約・EC・業務効率化などのシステムを伴うサイト | 通常枠で最大450万円 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓(集客サイト等) | 通常枠50万円(特例で上乗せ) |
ざっくり言うと、業務システムを含むならデジタル化・AI導入補助金、小規模事業者の集客ならまず持続化補助金が候補になります。ただし、どちらも「ホームページ制作なら必ず対象」ではありません。次の章で中身を見ていきましょう。
💡 ポイント
補助金は公募期間が決まっていて、通年でいつでも申請できるわけではありません。しかも多くは採択されて初めて交付される競争型です。「使えたらラッキー」くらいの余白を持って、制作計画を立てるのが現実的です。
① デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
2025年まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度で、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称になりました。中小企業・小規模事業者がITツールを導入して業務を効率化するのを支える制度です。
補助率・補助額の目安(通常枠)
通常枠の補助率は原則1/2以内(一定の要件を満たす場合は2/3以内)。補助額は、導入するソフトの業務プロセス数に応じて次のように分かれます。
- 1プロセス以上:5万円以上〜150万円未満
- 4プロセス以上:150万円以上〜450万円以下
⚠️ 最重要の注意点
この制度は事務局に登録された「ITツール」の導入が前提です。そのため、会社案内だけのコーポレートサイトや、単なるLP制作は対象外になりやすいのが実情です。予約システム・ECサイト・顧客管理など『業務プロセスを持つソフトウェア』を伴う場合に候補となります。「ホームページ制作=この補助金が使える」と単純に考えないでください。
つまり、集客のためのホームページを作りたいだけなら、この制度より次の持続化補助金のほうが合うことが多いです。逆に、ネット予約やオンライン販売の仕組みごと作るなら、検討する価値があります。
申請のタイミング
2026年度は交付申請が2026年3月末から始まり、複数回の締切が設けられています。締切ごとに交付決定の時期も決まっているため、作りたい時期から逆算して動く必要があります。最新の枠・締切・対象ツールは公式サイトで必ず確認してください。
② 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が販路開拓(集客・売上アップの取り組み)を行うときに使える制度です。商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請します。ホームページ制作との相性で言えば、集客サイトを作りたい小規模事業者にとって、まず候補になる制度です。
補助率・補助額の目安(一般型・通常枠)
一般型の通常枠は、補助率2/3、補助上限50万円が基本です。インボイス特例や賃金引上げ特例などの条件を満たすと、上限が上乗せされる仕組みがあります(条件により最大250万円まで拡大するケースも)。
⚠️ ウェブサイト関連費の重要な変更
2026年の第20回公募から、ウェブサイト関連費は上限30万円(税込)とされ、しかもこの費用だけでの単独申請はできなくなりました。チラシ・展示会出展など、他の販路開拓の取り組みと組み合わせて申請する必要があります。「サイト制作費まるごと補助」ではない点に注意してください。
対象になる「小規模事業者」とは
この制度は、従業員数で「小規模事業者」に当てはまる事業者が対象です。業種によって人数の基準が違います。
| 業種 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・サービス業 | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
医師・歯科医師など一部の職種や、組合などは対象外とされています。自社が当てはまるかは、申請前に公式の案内や、地元の商工会・商工会議所で確認するのが確実です。
申請のタイミング
持続化補助金も公募回ごとに受付期間が決まっています。2026年の第20回公募は、受付が2026年11月上旬から12月中旬に設定されています。事業支援計画書の発行など事前に商工会・商工会議所とやり取りが必要なので、締切ギリギリではなく早めに動き始めてください。
※「うちの場合、どちらの補助金が向いていそう?」という整理の段階から、無料でご相談いただけます(申請そのものは専門家との連携が必要な場合があります)。
自治体独自の補助金もチェックしておく
国の制度だけでなく、市区町村が独自にホームページ作成の補助を出していることがあります。「小規模事業者のホームページ制作費の一部を補助」といった形で、金額は数万円〜十数万円ほどのことが多いですが、国の制度より条件がゆるく、採択されやすい場合もあります。
お住まいの自治体の名前と「ホームページ 補助金」で検索するか、商工会・商工会議所に聞いてみてください。国の補助金が対象外でも、地元の制度なら使える、というケースは珍しくありません。
補助金を使うときに知っておきたい注意点
補助金は魅力的ですが、いいことばかりではありません。制作の相談を受けていても、この部分を知らずに期待だけふくらませている方は少なくありません。先に押さえておきましょう。
とくに見落としがちなのが「交付決定の前に契約・発注してはいけない」というルールです。制度によっては、決定を待たずに制作を始めると、その費用がまるごと対象外になります。焦って先に動かないよう、スケジュールは慎重に組んでください。判断に迷う点は、補助金に詳しい専門家(認定支援機関など)に相談すると安心です。
「補助金ありき」で制作を決めないほうがいい理由
ここまで読んで、少し慎重な気持ちになったかもしれません。それでいいと思っています。制作の現場から正直にお伝えすると、補助金を主役にして制作を決めると、うまくいかないことが多いのです。
理由はシンプルです。補助金に合わせると、「採択されやすい内容」や「対象になる経費」を優先しがちで、本来いちばん大事な『問い合わせや売上につながるサイトかどうか』が後回しになりやすいから。補助金が下りても、成果の出ないサイトができてしまっては本末転倒です。
おすすめは順番を逆にすることです。まず「どんなサイトが必要か」を先に決め、そのうえで「使える補助金があれば活用する」。この順番なら、補助金が使えても使えなくても、事業にとって意味のあるサイトが残ります。費用の全体像はホームページ制作の費用相場【全国・完全ガイド】、依頼先の見極めはWebサイト制作の流れと進め方も参考にしてください。
補助金が使えるか含めて、制作の相談ができます
「うちの作りたいサイトは補助金の対象になりそう?」「まず何から決めればいい?」という段階で大丈夫です。ご要望をうかがって、必要なサイト像と費用感、活用できそうな制度の方向性を無料でお伝えします(申請そのものは専門家との連携が必要な場合があります)。いきなり発注でなくて大丈夫。しつこい営業もしません。
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よくある質問
Qコーポレートサイトを作りたいのですが、補助金は使えますか?
会社案内中心のサイトは、デジタル化・AI導入補助金の対象外になりやすいです。小規模事業者であれば持続化補助金のウェブサイト関連費(上限あり・単独申請不可)が候補になります。まずは自社が対象要件に当てはまるか、公式や商工会でご確認ください。
Q補助金の申請は制作会社がやってくれますか?
制作会社は制作が本業で、補助金申請の代行は専門外のことが多いです。申請は認定支援機関や商工会・商工会議所、補助金に詳しい専門家と連携するのが一般的です。当社では、どんなサイトが必要かの整理と費用感のご相談を承っています。
Q補助金が下りるまで、どれくらいかかりますか?
制度や公募回によりますが、申請→採択→事業実施→実績報告→入金まで、数か月〜1年近くかかることもあります。原則は立て替え払いなので、資金繰りも見込んで計画してください。
参考情報
- デジタル化・AI導入補助金2026(公式)(旧IT導入補助金・枠/対象ツールの確認)
- 中小企業庁 デジタル化・AI導入補助金2026 概要(PDF)
- 小規模事業者持続化補助金(中小企業庁 ミラサポplus)
- IT導入補助金 情報サイト(制度の確認)
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まとめ
ホームページ制作に使える主な補助金は、業務システムを伴うサイト向けの「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」と、小規模事業者の販路開拓向けの「小規模事業者持続化補助金」の2つです。ただし、どちらも対象や上限が細かく決まっていて、単なる会社案内サイトは対象外になりやすい、ウェブサイト関連費には上限がある、といった制約があります。
大切なのは、補助金を主役にしないこと。まず「どんなサイトが必要か」を決め、使える制度があれば活用するという順番なら、採択されてもされなくても、事業に役立つサイトが手に入ります。制度は年度で変わるため、最新情報は必ず各公式でご確認ください。「うちの場合はどうか」を整理したいときは、お気軽にご相談ください。必要なサイト像と費用感を、無料でお伝えします。