ホームページ制作を依頼する前に準備するもの|原稿・写真・素材のチェックリスト

「制作会社に頼むとき、こちらは何を用意すればいいんでしょうか」。発注を決めた方から、いちばんよく聞かれる質問です。

正直にお伝えすると、ここが結果を大きく左右します。制作が予定より延びるとき、その原因の多くは技術的な問題ではなく、原稿と写真が揃わないことです。2か月の予定が半年かかった、という話の裏側は、たいていこれです。

逆に言えば、準備さえ整っていれば早く安く仕上がります。この記事では、依頼前に用意しておくものを、粒度と形式まで具体的にお伝えします。全部そろえないと頼めないわけではないので、その点も後半で触れます。

📋 この記事でわかること

  • 準備が遅れると、納期と費用がどう膨らむのか
  • 原稿は何を、どれくらい書けばいいのか
  • 写真は何を何枚。スマホ撮影でいいのか
  • 忘れられがちなロゴ・ドメイン・アカウント情報

準備が遅れると、納期も費用も膨らみます

最初に、なぜ準備の話をするのかをお伝えします。ここに納得いただけると、後半の作業が進めやすくなります。

ホームページ制作は、デザインや実装よりも原稿と写真を待つ時間のほうが長いのが実情です。デザインは1〜2週間で形になりますが、原稿が2か月止まることは珍しくありません。そして止まっている間、制作側は手を動かせません。

打ち合わせ
原稿・写真の準備
デザイン・実装
公開

青く塗ったところが、発注側の担当になります。ここが詰まると全体が止まる。だから準備は「制作会社に頼んだあとにやること」ではなく、先に始めておくことだとお考えください。

費用にも響きます。原稿や写真を制作側で用意する場合、取材で数万円〜、撮影で10万〜20万円ほどが上乗せされます。自社で用意できれば、そのぶん抑えられます。制作全体の工程はWebサイト制作の流れと進め方をご覧ください。

【1】先に決めておく3つのこと

原稿を書き始める前に、これだけは決めてください。ここが曖昧なままだと、書いた原稿を全部書き直すことになります。

  • 誰に見てほしいか:新規のお客様か、取引先か、求職者か。読む人が変われば書く内容も変わります。
  • 何をしてほしいか:問い合わせか、電話か、来店か、資料請求か。ゴールを1つに絞ってください。
  • 今と何を変えたいか:問い合わせを増やしたいのか、価格で比べられるのをやめたいのか。

この3つは、制作会社との最初の打ち合わせでも必ず聞かれます。紙1枚にメモしておくだけで、打ち合わせの質が変わります。うまくまとめられなくても構いません。「なんとなくこう思っている」を言葉にしておくことが大事です。

【2】原稿:何を、どれくらい書くのか

いちばん時間がかかるのがここです。「文章を書く」と身構えてしまいがちですが、必要なのは名文ではありません。事実と考えが伝わればそれで十分です。

ページ別の目安

おおよその分量の目安を挙げます。あくまで目安なので、多い少ないは気にしないでください。

用意する原稿と分量の目安

  • 会社・お店の紹介(400〜800字)… 何をしている会社か、どんな想いでやっているか
  • サービス・商品の説明(1項目300〜600字)… 内容、対象、流れ、料金
  • 選ばれる理由・強み(3〜5項目)… 他社と違う点を、事実で
  • 会社概要(表で可)… 社名、所在地、電話、設立、代表者、事業内容
  • よくある質問(3〜5問)… 実際にお客様から聞かれることをそのまま

このうち、いちばん価値があるのはよくある質問です。実際に電話で聞かれている内容は、検索している人も知りたいことだからです。日々の応対で「またこれを聞かれた」と思うことがあれば、それをメモしておいてください。

書けないときは、箇条書きと口頭で大丈夫です

「文章が苦手で進まない」というご相談は本当に多いです。その場合、整った文章にする必要はありません。箇条書きで要点を並べていただければ、こちらで文章に整えます。

もっと言えば、話していただくだけでも構いません。実際、打ち合わせで社長が話した内容をそのまま文字にしたものが、いちばん良い原稿になることがあります。ご自身の言葉には、パンフレットにない具体があるからです。「うまく書かなきゃ」で止まるくらいなら、しゃべってください。

💡 原稿は「今あるもの」から集めると早い

ゼロから書く必要はありません。会社案内のパンフレット、既存サイトの文章、見積書に添える説明、営業メールの定型文。すでに書いたものが社内に散らばっています。まずそれを集めて渡すだけでも、制作は進み始めます。

【3】写真:何を何枚、どう撮るか

原稿の次に時間がかかるのが写真です。そして、サイトの印象をいちばん左右するのも写真です。

最低限そろえたいカット

  • 外観(1〜2枚)… 初めて訪れる人が建物を確認するために使います
  • 内観・作業風景(3〜5枚)… 実際に働いている様子。人が写っていると印象が変わります
  • 商品・施工例・メニュー(5〜10枚)… 業種の主役になる部分。多いほうが選択肢が広がります
  • 代表・スタッフ(1〜3枚)… 正面から。小さな会社ほど効きます

スマホ撮影でも十分に使えます。コツは3つだけ。明るい時間に撮る、余計なものを片づけてから撮る、同じ被写体を角度を変えて数枚撮る。とくに3つ目が大事で、選択肢があるとデザインに合わせやすくなります。

これから撮るなら、リストを先に作る

撮影が必要な場合、当日になって「何を撮ればいいんだっけ」となりがちです。制作の現場では、事前に撮影リストを作ってお渡しします。自社で撮る場合も、上のカット一覧をメモにして、撮り終えたものにチェックを入れていってください。撮り直しの手間が減ります。

⚠️ 手元にある写真、使っていいものか確認を

ネットで拾った写真や、他社のサイトから保存した画像は使えません。以前の制作会社が用意した素材写真も、契約が終わると使えなくなる場合があります。お客様や従業員が写っている写真は、掲載の許可を取ってください。判断に迷う写真は、制作会社に出所を伝えて相談するのが安全です。

【4】忘れられがちな素材とアカウント情報

原稿と写真に気を取られて、直前になって慌てるのがこの部分です。先に確認しておくと、公開作業がつまずきません

1ロゴのデータ

名刺やパンフレットを作ったときのデータが残っているはずです。拡大してもぼやけない形式(ai・eps・svg)があると理想的で、なければ大きめのpng画像でも進められます。JPEGしか見つからない場合は、作り直しが必要になることもあるので早めに探してください。

2ドメインとサーバーの情報

すでにサイトがあるなら、契約先とログイン情報を確認してください。名義が前の制作会社になっていることが実際にあり、その場合は移管に数週間かかります。ここは公開日に直結するので、いちばん先に確認する価値があります。

3会社の正式な表記

登記上の社名、住所の正式表記、電話番号、営業時間。Googleビジネスプロフィールや名刺と食い違っていないかもあわせて確認してください。ここがバラバラだと、公開後に直す手間が発生します。

4問い合わせの受け取り先

フォームからの連絡を、どのメールアドレスで受けるか。担当者が1人だと見落とすので、複数人に届く設定にしておくと安心です。あわせて、誰が何日以内に返信するかも決めておいてください。

※「うちの場合、何から手をつければいいか」だけでも、無料でご相談いただけます(相談だけでも大丈夫です)。

準備チェックリスト

ここまでの内容をまとめました。印刷するか、スマホでこのページを開きながら確認してください。

依頼前にそろえたいもの

  • 誰に見てほしいか/何をしてほしいか(紙1枚のメモ)
  • 会社紹介・サービス説明・強み・会社概要・よくある質問
  • 既存のパンフレット・既存サイトの文章
  • 写真(外観・内観・商品や施工例・人)
  • ロゴのデータ(できればai・eps・svg)
  • ドメイン・サーバーの契約先とログイン情報
  • 問い合わせの受け取り先メールアドレス

全部そろえないと頼めない、わけではありません

ここまで読んで、負担に感じた方もいるかもしれません。念のためお伝えしますが、これらが全部そろってから相談する必要はありません

むしろ実務では、先に相談してから一緒に準備を進めるほうが早く終わります。何を書けばいいか、どの写真が使えるかは、目的が決まってはじめて判断できるからです。手元にあるものを見せていただければ、足りないものと優先順位をその場でお伝えできます。

準備のない状態で相談することを、恥ずかしがる必要はまったくありません。「パンフレットとスマホの写真しかありません」からスタートする案件はごく普通です。そこから形にするのが制作側の仕事です。

手元にあるものから、一緒に整理しませんか

「パンフレットと写真が少しあるだけ」という状態で大丈夫です。目的をうかがったうえで、足りないものと着手の順番を無料でお伝えします。準備が整ってからでないと相談できない、ということはありません。しつこい営業もしません。

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よくある質問

Q原稿を全部お任せすることはできますか?

できます。取材してこちらで書く形になり、費用は上がりますが、時間は大きく短縮できます。全部任せる場合でも、事実確認と最終チェックはお願いすることになります。忙しい方ほど、この形が現実的です。

Qロゴがありません。作ってもらえますか?

制作会社によって対応が分かれます。別途費用で対応できることが多いので、見積もりの段階で相談してください。ロゴがないまま社名を文字で表示して公開し、あとから差し替える進め方もできます。

Q写真は素材サイトのものだけでも作れますか?

作れますが、おすすめはしません。素材写真だけのサイトは印象に残らず、判断材料にもなりません。せめて外観と人の写真だけは実物を用意してください。スマホ撮影で構いません。

Q準備にはどれくらい時間を見ておけばいいですか?

通常業務と並行する前提で、1〜2か月ほど見ておくと安心です。公開したい日が決まっているなら、そこから逆算して着手日を決めてください。原稿の締め切りを自分で設定しておくと、進みが変わります。

参考情報

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まとめ

ホームページ制作を頼むときに用意するものは、大きく4つです。目的のメモ、原稿、写真、そして素材とアカウント情報。このうち時間がかかるのは原稿と写真で、制作が延びる原因もほぼここにあります。

原稿は名文である必要がありません。箇条書きでも、話していただくだけでも構いません。既存のパンフレットや営業メールを集めるところから始めれば十分です。写真もスマホ撮影で使えます。明るい時間に、片づけてから、角度を変えて数枚。これだけ守れば形になります。

そして、全部そろえてから相談する必要はありません。手元にあるものを見せていただければ、足りないものと着手の順番をお伝えします。「何から手をつければいいか分からない」という段階こそ、いちばん相談していただきたいタイミングです。