「STUDIOとWordPress、結局どっちがいいんですか」。制作のご相談で、必ずと言っていいほど出てくる質問です。
調べると、どちらの記事にも良いことが書いてあります。ノーコードは簡単、WordPressは自由度が高い。それは事実なのですが、「うちはどっちなのか」までは書いていないことがほとんどです。
この記事では、どちらでも作れる立場の制作者として、実務で使っている判断の基準をそのままお伝えします。専門用語は最小限にして、決め方まで持っていける形で書きました。
先に結論:この3つの質問で、だいたい決まります
細かい機能比較の前に、実務ではこの3つをうかがいます。ここが決まれば、8割方は答えが出ます。
① 公開したあと、誰が更新しますか?
社内に詳しい人がいない・自分で直したい → STUDIO寄り/担当者がいる、または更新は業者に任せる → どちらでも可
② 記事やお知らせを、どれくらい増やしますか?
年に数回のお知らせ程度 → STUDIO寄り/ブログで検索流入を本気で狙う、数百ページになる → WordPress寄り
③ 将来やりたいことは決まっていますか?
ネット販売・会員機能・予約システムを本格的に載せたい → WordPress寄り/会社案内とお問い合わせが中心 → STUDIO寄り
逆に言うと、「見た目のきれいさ」で選ぶ必要はありません。どちらもきれいに作れます。デザインの差は、ツールではなく作り手の差です。
STUDIOとWordPressは、そもそも仕組みが違う
ここを押さえておくと、あとの話が全部つながります。2つは同じ「ホームページの作り方」ですが、成り立ちがまったく違います。
STUDIOは、月額を払って使うサービスです。サーバーもセキュリティ対策も、運営会社側で面倒を見てくれます。マンションを借りるイメージに近いです。WordPressは、無料で配布されているソフトを、自分で借りたサーバーに置いて動かします。土地を借りて家を建てるイメージです。建てたあとの管理は自分持ちになります。
| 比べる点 | STUDIO | WordPress |
|---|---|---|
| サーバーの用意 | 不要(込み) | 自分で契約する |
| 更新作業 | 画面を見ながら直せる | 管理画面から入力する |
| セキュリティ対応 | 運営側が担当 | 自分(または業者)が担当 |
| 機能の拡張 | 用意された範囲の中で | プラグインでほぼ何でも |
| 大量のページ | 中小規模が得意 | 数百ページでも対応 |
| やめたときの持ち出し | 文章・画像は取り出せる | データごと移せる |
プラグインというのは、WordPressに機能を後付けする部品のことです。予約フォームでもネットショップでも、部品を足せば実現できます。この自由度がWordPressの最大の強みで、同時に管理の手間が増える理由でもあります。
いちばん差が出るのは「公開したあと」です
制作の相談では作るときの話に集中しがちですが、実際に差が出るのは公開してからです。ここが、私がいちばんお伝えしたい部分です。
更新のしやすさ:自分で直せるかどうか
STUDIOは、完成した見た目のまま文字や写真を差し替えられます。「料金を変えたい」「臨時休業を出したい」を、社長さんご本人がスマホから直せる状態にできます。
WordPressも管理画面から更新できますが、見た目の崩れが怖くて触れなくなるケースをよく見ます。結果として、ちょっとした修正のたびに業者へ連絡することになり、月額が積み上がっていきます。更新頻度が低い会社ほど、この差は効いてきます。
放っておいたときの壊れ方が違う
WordPressは、本体とプラグインの更新を続ける必要があります。更新を止めたまま放置すると、脆弱性(ぜいじゃくせい=プログラムの弱点)を突かれて、サイトを改ざんされることがあります。実際、更新が2年止まっていたサイトを引き継いで、不審なファイルが見つかったことがあります。
STUDIOはこの部分を運営会社が見てくれるので、放置しても壊れにくい。ただし月額を止めるとサイトが公開停止になります。どちらにもリスクはあり、性質が違うだけだとご理解ください。
💡 ポイント
どちらを選んでも、ドメイン(サイトの住所)は自社名義で契約してください。ここさえ自社で持っていれば、将来どちらへ移っても同じURLを使い続けられます。制作会社名義になっていると、移るときに揉める原因になります。
費用は「初期」ではなく5年分で比べてください
見積もりを比べるとき、初期費用だけを見てしまう方が多いのですが、ホームページは公開してからのほうが長い付き合いです。5年で見ると、印象が変わります。
| かかるもの | STUDIO | WordPress |
|---|---|---|
| 毎月かかるもの | STUDIOの利用料(法人向けBusinessプランで年払い月額3,980円・月払い5,460円/2026年8月時点) | サーバー・ドメイン代で月1,000〜2,000円程度 |
| 保守を頼む場合 | 更新代行を頼むなら別途 | 本体・プラグイン更新を含め月5,000〜20,000円程度 |
| 修正のたびの費用 | 自分で直せる範囲は0円 | 依頼するなら都度発生 |
ざっくり言えば、STUDIOは月額そのものは高めでも、保守と修正の費用が乗りにくい。WordPressは月額の下限は安いものの、保守を任せると積み上がります。自社で管理できる人がいるかどうかで、5年の総額はひっくり返ります。
維持費の内訳はホームページの維持費・保守費用の相場で細かく分解しています。制作費そのものの相場はホームページ制作の費用相場をご覧ください。
※「うちの場合はどっちが安く済む?」という試算だけでも、無料でご相談いただけます(相談だけでも大丈夫です)。
向いているのは、こんな会社です
ここまでを踏まえて、実際にどちらをおすすめすることが多いかをまとめます。当てはまる項目が多いほうを選べば、大きく外しません。
⭕ STUDIOが向いている
- 社内にWebに詳しい人がいない
- 10〜30ページ程度の会社案内・店舗サイト
- お知らせや料金を自分たちで直したい
- サーバー管理やセキュリティ対応に時間を割きたくない
- デザインにこだわりたい(表現の自由度は高いです)
⭕ WordPressが向いている
- ブログや事例を継続的に増やして検索流入を狙う
- ページ数が多い、または今後大きく増える
- ネットショップ・会員機能・複雑な予約を載せたい
- 社内に担当者がいる、または保守を任せる前提
- すでにWordPressで運用していて、資産を活かしたい
ひとつ補足させてください。当社はSTUDIOの認定パートナー制度であるStudio Expertsに加盟していますが、だからといって全部STUDIOでお作りするわけではありません。記事を増やして集客したい会社にはWordPressをおすすめします。道具は目的に合わせるものです。
「あとから乗り換えられますか?」への答え
これもよく聞かれます。結論から言うと、乗り換えはできます。ただしデザインは作り直しになります。
持ち出せるのは、文章・画像・ドメインです。ページの見た目は、それぞれの仕組みに合わせて作られているため、そのままの形では移せません。つまり乗り換えは「引っ越し」ではなく「建て直し」に近い作業になります。
だからこそ、最初の選択が大事です。とはいえ、悩みすぎる必要もありません。3年後に事業が大きく変わっていたら、そのときは作り直しが正解になることもあります。いま決められる範囲で選んで、ドメインだけ自社で持っておく。これがいちばん損の少ない進め方です。
迷ったときの決め方【4ステップ】
最後に、実際に判断するときの順番をまとめます。上から順に答えていけば、自然と絞り込めます。
目的を書き出す
問い合わせ増か・採用か・信頼か
更新する人を決める
社内か・業者か・誰も無理か
5年分で費用を出す
初期+月額+修正費で比べる
両方できる会社に聞く
片方しか扱えない相手は要注意
4番目が意外と大事です。片方しか作れない会社に聞けば、当然そちらを勧められます。両方を扱っている相手に、目的を伝えたうえで相談してください。制作会社の見極め方は失敗しないホームページ制作会社の選び方にまとめています。
どっちで作るべきか、一緒に決めませんか
「更新は誰がやるのが現実的か」「5年でいくらになるか」。この2つが決まれば答えは出ます。当社はSTUDIO・WordPressの両方でお作りしているので、どちらかに寄せた提案はしません。目的をうかがって、向いているほうを無料でお伝えします。いきなり発注でなくて大丈夫です。
Studio Experts加盟/建築・人材などの制作実績、士業・飲食の制作サンプルあり・オンライン相談で全国対応
よくある質問
QSEO(検索で上位に出やすくすること)に強いのはどちらですか?
どちらでも上位表示は狙えます。差がつくのはツールではなく、記事の中身と更新の継続です。ただし記事を大量に増やしていく運用なら、管理のしやすさでWordPressに分があります。
QSTUDIOの月額を払い続けられなくなったらどうなりますか?
プランを解約すると、独自ドメインでの公開は止まります。ドメインを自社名義で持っていれば、別の方法で作り直して同じURLで再公開できます。契約前に、ドメインの名義だけは必ず確認してください。
QいまWordPressで作っています。STUDIOに移すべきですか?
問題なく運用できているなら、急いで移す理由はありません。移行はデザインの作り直しになるためです。「更新が怖くて何年も触れていない」「保守費だけ払い続けている」場合は、作り直しを検討する価値があります。
Q制作費が安いのはどちらですか?
同じ内容なら、大きくは変わりません。強いて言えば、サーバーの設定作業が不要なぶんSTUDIOがやや軽くなることがあります。ただし総額を左右するのは、ツールよりページ数と原稿・写真の準備量です。
参考情報
- STUDIO 料金プラン(公式)(最新の月額・プラン内容)
- WordPress 日本語(公式)(ソフトウェアの入手・情報)
- IPA「安全なウェブサイトの作り方」(更新を怠った場合のリスク)
- IT導入補助金(公式)(制度・公募の確認)
関連記事
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まとめ
STUDIOとWordPressの違いは、機能表を見比べても答えは出ません。決め手になるのは「公開したあと、誰がどれくらい更新するか」です。自分たちで直したい中小規模のサイトならSTUDIO、記事を増やして集客したい・機能を拡張したいならWordPress。この線引きで、ほとんどの場合は決まります。
費用は初期だけでなく5年分で比べてください。STUDIOは月額が高めでも修正費が乗りにくく、WordPressは月額の下限が安くても保守で積み上がります。そしてドメインだけは必ず自社名義で。ここさえ守れば、将来どちらへ移ることになっても損をしません。
「うちはどっちなんだろう」と迷ったら、現状をうかがって向いているほうをお伝えします。両方でお作りしているので、片方に寄せた提案はしません。費用感も進め方も、無料でお伝えします。