人材紹介・人材派遣会社のホームページ制作ガイド|登録者と求人企業の両方に届く情報設計【全国版】

「登録者も集めたいし、求人をくれる企業も増やしたい」。人材紹介・人材派遣の会社から制作のご相談をいただくとき、必ず出てくるテーマです。

この業界は、1つのホームページで性格の違う2種類の読者に届けなければいけない点が特殊です。仕事を探している人と、人を採りたい企業。知りたいことが正反対なのに、置き場所は1つしかありません。

加えて、この業界にはホームページでの情報公開が法律で求められている項目があります。制作会社がそれを知らないまま作ると、公開してから作り直しになります。この記事では、動線の分け方・法定の公開項目・費用相場を、人材業界のサイト制作を手がけている立場からまとめました。

📋 この記事でわかること

  • 登録者向けと求人企業向け、動線の分け方
  • 派遣会社に義務づけられているサイトでの情報公開
  • それぞれのページに何を書くか
  • 費用相場と、求人情報を自社サイトに載せるかの判断

読者が2種類いる。ここが最大の設計課題です

まず、この業界のサイトが難しい理由を整理させてください。

知りたいことが、正反対です

登録を考えている人が気にするのは、「怪しくないか」「希望に合う仕事があるか」「無理に決められないか」。一方、求人企業が見るのは「どんな人材が登録しているか」「いつまでに紹介してくれるか」「いくらかかるか」です。

この2つを1ページに混ぜると、どちらにも中途半端な印象を与えます。求職者向けの明るい写真の下に手数料の話が出てくると、登録しようとしていた人は戸惑います。逆も同じです。

トップページで、2つの入口をはっきり分ける

解決策はシンプルで、トップページの目立つ位置に「お仕事をお探しの方」「採用をお考えの企業様」の2つの入口を置くことです。そこから先は、別のサイトのつもりで作り分けます。

トップページ
2つの入口で分岐
それぞれの専用ページ
登録/お問い合わせ

制作の実務でも、この分岐を先に決めてから中身の設計に入ります。フォームも分けてください。登録フォームと法人からの問い合わせフォームが同じだと、対応する担当も分けられませんし、届いた内容を見て毎回振り分ける手間が発生します。

【要注意】サイトでの情報公開が、法律で求められています

ここが人材業界の固有事情で、いちばん見落とされやすい部分です。

労働者派遣事業を行う場合、マージン率をはじめとする事業運営の情報を公開する義務があります。しかも令和3年4月1日から、情報提供義務のある項目は原則として常時インターネットで公開することとされています。つまり、自社サイトが公開の場そのものになります。

事業区分 サイトに用意しておきたいもの
労働者派遣事業 許可番号/マージン率などの情報提供項目を常時公開するページ
有料職業紹介事業 許可番号/手数料に関する事項の明示
共通 求人・募集情報の的確な表示(誤解を生む書き方をしない)
共通 個人情報の取り扱いに関する記載

制作の現場でお伝えしているのは、この公開ページを「後から足す」のではなく、最初から設計に入れておくということです。数値は毎年更新するものなので、自社で書き換えられる作りにしておくと運用が楽になります。ここを画像で作ってしまうと、更新のたびに制作会社へ依頼することになります。

⚠️ 制作会社は、この分野の専門家ではありません

Web制作者は労働法令の専門家ではありません。公開すべき項目と最新の要件は、厚生労働省の情報や、顧問の社会保険労務士にご確認ください。制作側にはその一覧を渡していただく形になります。ここでご紹介しているのは一般的な考え方で、最終的な判断は所管の労働局の指導によります。

登録者向けページ:安心して登録できるか

ここからは中身の話です。まず求職者側から。登録は個人情報を預ける行為なので、判断のハードルは想像より高くなっています。

1登録から就業までの流れ

登録したら何が起きるのか。面談はあるのか、来社かオンラインか、どれくらいで紹介が来るのか。先が見えないと、人は登録しません。ステップで示してください。

2担当者の顔と人柄

キャリアの相談は、こみ入った事情まで話すことになります。誰に話すのかが分かるだけで、登録の抵抗が下がります。数名でも顔写真とひとことを載せてください。

3扱っている求人の傾向

個別の求人を出せなくても、職種・エリア・雇用形態・時給や年収のレンジは書けます。「自分に合う仕事がありそうか」が判断できないと、登録の理由が生まれません。

4無理に決めさせない、と書く

「登録したらしつこく連絡が来るのでは」という警戒は根強くあります。紹介を断っても構わないこと、登録だけでも問題ないことを明記してください。ここは求職者がいちばん知りたい一文です。

もうひとつ実務的な話を。求職者はほぼスマホで見ています。登録フォームがスマホで入力しづらいと、そこで離脱します。項目は必要最小限にして、履歴書の内容は面談で聞く形にしたほうが、結果的に登録数は増えます。

求人企業向けページ:どんな人材を、いつ、いくらで

企業側の担当者が見るのは、ここから先です。求職者向けとは、書く順番も言葉も変わります。

  • 得意な職種とエリア:「幅広く対応」では選ばれません。強い領域を言い切ってください。
  • 登録者の傾向:人数、経験年数、保有資格の傾向。個人が特定されない範囲で。
  • 紹介・派遣までのスピード:依頼から候補者提示までの目安。ここは比較されます。
  • 費用の考え方:紹介手数料の料率、派遣なら時間単価の考え方。金額が難しくても決まり方は書けます。
  • 早期退職時の返金規定:紹介の場合、企業がいちばん気にする条件のひとつです。

制作のご相談で多いのが「手数料を書くと安いところに流れませんか」という質問です。実際には逆で、書いていないと問い合わせの前に候補から外れます。相場から外れていないなら、書いたほうが商談は進みます。

※「2つの動線をどう分けるか」の整理だけでも、無料でご相談いただけます(相談だけでも大丈夫です)。

求人情報を自社サイトに載せるか、媒体に任せるか

設計の分かれ目になる判断です。3つの選択肢があります。

求人掲載の3つの方法

  • 求人検索の仕組みを自社サイトに作る … 更新の手間はかかるが、指名で来た人を逃さない
  • 代表的な求人を数件だけ載せる … 傾向が伝わればよい、という割り切り。運用が続きやすい
  • 載せずに登録へ誘導する … サイトは信頼と登録に専念し、求人は媒体と面談で扱う

ここでも「誰がいつ更新するか」が判断基準になります。求人は動きが速いので、埋まった求人が残っているサイトは信頼を落とします。更新の体制が組めないなら、3つ目を選ぶほうが誠実です。

人材会社のホームページ制作の費用相場

制作費の目安です。2つの動線を作り分けるぶん、一般的な企業サイトより少し上がります

内容 費用の目安
会社紹介中心・入口の分岐のみ 40万〜70万円
求職者向け・企業向けを作り分け+情報公開ページ 70万〜120万円
求人検索の仕組みを追加 120万〜200万円
採用広報・運用まで任せる 200万円〜

多くの会社に現実的なのは2番目の帯です。求人検索の仕組みは便利ですが、登録数が増えてから足しても遅くありません。まず動線を分けて、法定の公開ページを整え、担当者の顔を出す。ここまでで十分に戦えます。

発注企業が自社の採用のために作るサイトの話は採用サイト制作の費用相場と作り方にまとめています。料金の内訳はホームページ制作の費用相場、見積書の読み方は見積書の読み方をご覧ください。

2つの動線の設計から、ご一緒します

「求職者向けと企業向け、どう分ければいいか」「法定の公開ページをどう作るか」——設計の入口で迷う部分です。人材業界のサイト制作の経験をふまえて、優先順位を無料で整理してお伝えします。いきなり発注ではありませんし、しつこい営業もしません。

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よくある質問

Q求職者向けと企業向けで、サイトを2つ作るべきですか?

1つのサイトで入口を分ければ十分です。分けると運用の手間もドメインの管理も倍になります。規模が大きくなり、それぞれで広告を出すようになった段階で、分離を検討すれば間に合います。

Qマージン率の公開ページは、目立たない場所でもいいですか?

探せば見つかる状態ではなく、たどり着ける導線を用意してください。フッターからのリンクに加えて、会社概要からも行ける形が無難です。要件の詳細は厚生労働省の情報や社会保険労務士にご確認ください。

Q登録フォームの項目はどれくらいがいいですか?

氏名・連絡先・希望職種・希望エリアくらいで十分です。職歴や資格は面談で聞けます。スマホで入力する前提なので、項目が多いほど途中でやめられます。まず接点を持つことを優先してください。

Q公開までどれくらいかかりますか?

2つの動線を作り分ける場合で3〜4か月が目安です。一般的なサイトより長めなのは、求職者向けと企業向けで原稿が2本分必要になるためです。法定の公開項目の準備も、早めに着手してください。

参考情報

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まとめ

人材紹介・人材派遣会社のホームページ制作費は、入口の分岐だけなら40万〜70万円、求職者向けと企業向けを作り分けて法定の公開ページまで整えると70万〜120万円が目安です。

設計の要は、読者が2種類いることを最初に受け入れることです。仕事を探している人と、人を採りたい企業。知りたいことが正反対なので、トップで入口を分け、フォームも分ける。混ぜると、どちらにも中途半端になります

そして派遣事業を行うなら、マージン率などの情報提供が原則として常時インターネットでの公開とされています。この公開ページは後付けではなく、最初から設計に入れ、自社で数値を更新できる作りにしてください。何から手をつけるか迷ったら、いまの事業構成をうかがいながら一緒に整理します。