「食べログにもInstagramにも載せている。それでもホームページって、いるんでしょうか」。飲食店を営む方から、いちばん多くいただく質問です。
正直にお答えすると、全部のお店に必要とは言いません。ただ、グルメサイトの掲載料が年々重くなっている、常連さんは来てくれるけれど新規のお客様が増えない、そんな段階に来ているお店には、間違いなく効きます。理由は、お客様がお店を決めるまでの動きが変わったからです。
この記事では、飲食店のホームページについて本当に必要かどうかの判断・載せるべき要素・予約の受け方・費用相場を、現役のWeb制作者の目線でまとめました。専門用語はできるだけかみくだいてお伝えします。
「食べログやInstagramがあるのに、ホームページは必要?」
この疑問を持つのは、当然だと思います。すでに掲載料も広告費も払っているのに、さらにホームページまで作る意味があるのか。制作者として、2つの角度からお答えします。
グルメサイトは「借りている場所」です
グルメサイトやSNSは、お客様との接点をつくる力がとても強い場所です。ただし、そこはあくまで借りている場所です。掲載プランの料金は運営会社が決めますし、検索結果での並び順も、規約も、同じページに並ぶ競合店も、こちらでは選べません。
実際、掲載料を下げたら予約が減った、プランを見直したいけれど抜けるのが怖い、という相談をよくお聞きします。出ていくと集客がゼロになる状態は、経営の判断としては少し危うい。ホームページは、その依存を少しずつ薄めていくための、自分の店の看板です。
店名で検索した人が、最後に見るのがホームページ
もうひとつ、お客様の動きの話です。いまは知人に勧められても、看板を見かけても、その場では決めません。ほぼ全員がスマホで店名を検索します。
そのとき出てくるのが、グルメサイトのページと口コミだけだと、判断材料はどうしても「点数」になります。逆に、お店自身のホームページがあれば、店主の想い・素材へのこだわり・お店の空気感を、お店の言葉で伝えられます。点数では伝わらない部分で選んでもらえるようになる。これが、いちばん大きな違いです。
💡 ポイント
ホームページは、グルメサイトの代わりではありません。併用して、役割を分けるものです。広く見つけてもらうのはグルメサイトやSNS、来店の最後のひと押しはホームページ。この分担ができると、掲載プランを見直す余地も生まれます。
グルメサイト・SNS・ホームページの役割分担
「じゃあ、どう使い分けるの?」という話です。お客様がお店を知ってから来店するまでを、そのまま並べてみます。
店名で検索する
ホームページで確かめる
予約・来店
青く塗った「確かめる」の部分が、ホームページの仕事です。ここで不安が消えれば予約に進み、残れば離脱します。それぞれの得意分野を、表にまとめました。
| 媒体 | 得意なこと | 任せる役割 |
|---|---|---|
| グルメサイト | エリア・ジャンルで探している人に届く | 新規のお客様との出会い |
| SNS(Instagram等) | 日々の一皿・雰囲気を届け続ける | 興味を持ち続けてもらう |
| Googleビジネスプロフィール | 地図・営業時間・道順をすぐ出す | 今すぐ行きたい人の受け皿 |
| ホームページ | こだわり・価格帯・使い方を自分の言葉で伝える | 迷いを消して予約につなげる |
制作をお手伝いするときは、まずこの4つの現状をうかがうところから始めます。全部を頑張らなくていいからです。SNSが得意な店主さんなら、ホームページ側はメニューと予約に絞って、更新はSNSに任せる。その設計のほうが、結局は長く続きます。
予約につながる飲食店ホームページの5つの要素
ここからは中身の話です。お客様が「ここに行こう」と決めるまでに知りたいことは、だいたい決まっています。凝った仕掛けより、この5つが揃っているかどうかで結果が変わります。
1料理写真(明るさと、湯気の出るもの)
最重要です。スマホで撮る場合は、窓際の自然光で、真上か斜め45度から。暗い店内で撮った写真は、そのままだと実物よりおいしそうに見えません。全品ではなく、看板料理を5〜10品だけしっかり撮るほうが効果的です。
2メニューと価格(PDFで貼らない)
よくお直しするのがここです。紙のメニューをPDFのまま載せると、スマホでは文字が小さく、指で拡大しないと読めません。読めないメニューは無いのと同じです。予算感が伝わるよう、価格まで文字で載せてください。
3お店の使い方が分かる情報
「一人でも入れるか」「子ども連れは大丈夫か」「接待に使えるか」。初めてのお客様は、ここでいちばん迷います。席数・個室の有無・カウンターの様子を書くだけで、来店のハードルが下がります。
4アクセス・駐車場・営業時間
地図を貼るだけでなく、「駅からの道順」「近くのコインパーキング」まで書いてあると親切です。営業時間は、Googleビジネスプロフィールと必ず同じ内容に揃えてください。食い違っていると、それだけで信用が落ちます。
5店主・スタッフの顔と、お店の背景
グルメサイトには載せきれない部分です。なぜこの料理を出しているのか、どこから仕入れているのか。ここが、点数で比べられない理由になります。長文でなくて構いません。数行でも、あるとないとでは印象が変わります。
⚠️ 写真とメニュー表記の注意
産地や食材の表記、写真と実物の差については、景品表示法(消費者庁)の考え方が示されています。「国産」「新鮮」「自家製」といった言葉は、実際の内容と一致させてください。盛りを良くした写真を載せる場合も、実際の提供内容と大きく違わない範囲に。消費者庁のガイドラインに目を通しておくと安心です。
予約の受け方をどう設計するか
飲食店のホームページで、いちばん設計が分かれるのがこの部分です。予約の受け方は主に4つ。お店の規模と、いまの手間のかかり方で決めます。
- 電話のみ:小規模店や、席数が少ないお店なら十分です。ただし営業中は出られないことが多いので、電話番号はスマホでタップして発信できる形にしておきます。
- グルメサイトの予約枠へ送る:すでに使っているなら、いちばん手間がありません。予約1件ごとに手数料がかかる場合があるので、条件は確認してください。
- 予約システムを入れる:席の管理まで自動化できます。月額がかかるぶん、電話対応の時間が減ります。予約が1日10件を超えるあたりから、元が取れてくる印象です。
- 問い合わせフォーム+LINE:宴会やコース予約の相談が多いお店に向きます。やりとりが文字で残るのが利点です。
制作の現場では、スマホ画面の下に予約ボタンを固定する作りをよく使います。メニューを見ている途中で「よし、予約しよう」と思った瞬間に、探さなくても押せるからです。ページの一番下にしか予約先がないと、そこまでたどり着く前に離脱してしまいます。
飲食店のホームページ制作の費用相場
気になる費用の話です。飲食店の場合は、ページ数が少ないぶん写真と予約まわりで金額が動きます。おおよその目安は次のとおりです。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 1ページ完結・テンプレート活用 | 10万〜30万円 |
| オリジナルデザイン・メニュー/店舗紹介あり | 30万〜60万円 |
| 料理撮影・予約システム連携を含む | 60万〜100万円 |
| 多店舗展開・ネット販売までつなげる | 100万円〜 |
多くの個人店は30万〜60万円の範囲に収まります。ここに料理撮影を足すかどうかが分かれ目です。料理写真はサイトの出来をほぼ決めてしまうので、予算が厳しければ看板料理だけプロに撮ってもらい、残りは店主が撮る、という組み合わせをよくご提案します。
料金の内訳(企画・デザイン・実装・公開後の運用がそれぞれ何にあたるか)はホームページ制作の費用相場【全国・中小企業向け完全ガイド】で詳しく分解しています。相場より極端に安い見積もりが気になる方は格安ホームページ制作はなぜ安い?もどうぞ。制作費はIT導入補助金などの補助金の対象になる場合もあります。
※「うちの店の規模だといくらぐらい?」という見当だけでも、無料でご相談いただけます(相談だけでも大丈夫です)。
無料のホームページ機能で足りる? プロに頼む?
グルメサイトの無料ホームページ機能や、無料のサイト作成ツールを使う道もあります。どちらが良いかは、お店の状況によります。公平に並べます。
⭕ 無料・自作で十分なケース
- 開店直後で、まず存在を知らせたい
- 常連中心で、新規集客に困っていない
- メニューと地図が伝われば良い
❌ 自作だと苦しくなるケース
- グルメサイトの掲載料を見直したい(=自力で集客する必要がある)
- 単価の高いコースや宴会を取りたい(=世界観の作り込みが要る)
- 店名で検索されたときに上位に出したい
- 作る時間そのものが取れない
とくに2つ目が大きいです。客単価を上げたいお店ほど、見せ方の差が売上に直結します。逆に、まず名刺代わりが欲しいだけなら、無料ツールで始めて、必要になってから作り直すのも十分ありです。
なお、自分たちで更新していきたい場合は、STUDIOのようなノーコードツール(プログラミング不要でページを更新できる仕組み)で作っておく方法があります。本日のおすすめや臨時休業を、店主がスマホから直せる形にできます。詳しくはSTUDIOでホームページを作るメリット・デメリットをご覧ください。
地域で探すなら:エリア別の飲食店ホームページ制作
同じ飲食店でも、商圏の性格によって効く見せ方は変わります。地域ごとの具体的な話は、それぞれの記事にまとめています。
- 西宮の飲食店のホームページ制作|世界観をお店の資産にする見せ方
- 尼崎の飲食店のホームページ制作|常連文化を守りつつ「入りやすさ」を伝える
- 姫路の飲食店・店舗のホームページ制作|観光客・市外客と車社会に効く見せ方
掲載エリア以外のお店でも、オンラインでのご相談で全国対応しています。商圏の広さやお客様の層をうかがったうえで、必要な見せ方をお伝えします。
まず、いまの集客の棚卸しから始めませんか
「掲載料を見直したいけど、抜けるのが怖い」「写真は何品撮ればいい?」——そんな段階のご相談で大丈夫です。いまのグルメサイト・SNSの使い方をうかがって、ホームページに任せるべき部分だけを無料で整理します。いきなり発注でなくて構いません。しつこい営業もしません。
Studio Experts加盟/建築・人材などの制作実績、士業・飲食の制作サンプルあり・オンライン相談で全国対応
よくある質問
Qホームページを作ったら、グルメサイトは解約していいですか?
いきなりの解約はおすすめしません。ホームページが検索で見つかるようになるまで、数か月はかかります。まずは併用し、予約がどちらから来ているかを数か月見てから、プランを下げるかどうかを判断してください。
Qメニューの入れ替えが多いのですが、毎回制作会社に頼むのですか?
自分たちで更新できる作りにしておけば不要です。ノーコードツールで作れば、価格変更や本日のおすすめをスマホから直せます。逆に更新を任せる場合は、月額いくらで何回までかを契約前に確認してください。
Q料理写真は自分で撮ったものでも大丈夫ですか?
問題ありません。自然光の入る時間帯に、明るく撮れていれば十分に使えます。看板料理だけプロに撮ってもらい、残りは店主が撮る組み合わせもよく使います。手元の写真を見せていただければ、使えるかどうかお伝えします。
Q公開までどれくらいかかりますか?
1ページ完結なら1か月ほど、メニューや店舗紹介を含むと1.5〜2か月が目安です。いちばん時間がかかるのは写真と原稿の準備なので、開店やリニューアルに合わせるなら、3か月前から動き始めると余裕を持てます。
参考情報
- 消費者庁「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(メニュー表記の確認)
- 日本フードサービス協会 統計・報告書(外食産業の市場動向)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ(公式)(店舗情報の登録・修正)
- IT導入補助金(公式)(制度・公募の確認)
- 小規模事業者持続化補助金(公式)(対象・申請の確認)
関連記事
- ホームページ制作の費用相場【全国・中小企業向け完全ガイド】
- 失敗しないホームページ制作会社の選び方|見積もりで見る7つのチェックポイント
- Webサイト制作の流れと進め方〜制作期間や押さえておきたいポイント
- 格安ホームページ制作はなぜ安い?後悔しないための確認ポイント
- 西宮の飲食店のホームページ制作|来店・予約につなげる見せ方と費用相場
まとめ
飲食店のホームページ制作費は、1ページ完結で10万〜30万円、メニューや店舗紹介まで含めたオリジナルデザインで30万〜60万円、料理撮影や予約システム連携を入れると60万円〜が目安です。金額を動かすのは、ページ数よりも写真と予約まわりです。
そしてホームページの役割は、グルメサイトの代わりになることではありません。SNSやグルメサイトで知ってもらい、店名で検索した人の迷いを消して予約につなげる。この「最後のひと押し」を自分の店の言葉でできるようになると、掲載プランを見直す余地も生まれます。
まずは、いまお使いのグルメサイト・SNSの棚卸しからで構いません。「うちの場合は何から手をつけるべきか」を、現状をうかがいながら一緒に整理します。費用感も進め方も、無料でお伝えします。