ホームページ制作会社はAIをどう使っているか|料金は安くなるのか

「AIを使ってるなら、もっと安くなりませんか」。最近、見積もりをお出ししたあとにこう言われることがあります。

もっともな質問だと思います。ごまかさずにお答えすると、一部は安くなりました。ただ全体が半額になるようなことはありません。

なぜ一部だけなのか。それは工程によって、AIが効くところと効かないところがはっきり分かれているからです。

この記事では、私たちが実際にどの工程でAIを使い、どこは人がやっているかを開示します。そのうえで、見積もりのどの項目が下がってどこが下がらないのかをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  • ✓制作会社がAIを使っている工程と、使わない工程
  • ✓見積もりのどの項目が下がって、どこが下がらないか
  • ✓「AI活用で激安」をうたう見積もりの見方
  • ✓発注する側がAIを使って費用を下げる方法

結論:私たちの場合、AIを使う工程は4つです

先に手の内をお見せします。自社の制作工程を8つに分けると、AIが入っているのは4つ、人がやっているのが4つです。

AIを使っている工程原稿のたたき台・文章作成下書きを出させて、人が直すコード・実装の補助カスタム部分やシステム開発で調査・情報整理業界の下調べ、競合の確認画像・図解の生成図やアイキャッチの作成人がやっている工程ヒアリング・要件の決定何を載せ、誰に何を伝えるか事実確認・法令チェック料金・資格・広告規制の確認デザインの決め込み公開作業・動作確認
当社の制作工程とAIの使い分け。上4つでAIを使い、下4つは人が担当しています

見ていただくと分かるのですが、AIが入っているのは「手を動かす量が多い工程」です。そして人が残っているのは「決める工程」と「責任を負う工程」です。

この分かれ方には理由があります。次でお伝えします。

AIがいちばん効くのは、文章まわりです

私たちの実感だけではなく、統計にも同じ傾向が出ています。ここは客観的な数字で見てください。

総務省の令和8年版 情報通信白書によると、何らかの業務で生成AIを利用している企業は日本で86.4%。そのうえで、業務類型ごとの活用状況にはっきり差があります。

業務の種類 活用している割合
議事録・メール作成補助 約7割(最も高い)
営業・販売 約6割
社内ヘルプデスク 約5割

注目していただきたいのは、導入効果を実感している割合も「議事録・メール作成補助」が約7割で、他の類型に比べて顕著に高いという点です。白書にそう書かれています。

つまりAIがいま確実に成果を出しているのは、文章を書く仕事です。ホームページ制作も同じで、原稿の工程で工数が減ります。

一方で、要件を決める・事実を確かめる・デザインを決め込む・公開して動作を確認する。ここは作業量ではなく判断の仕事なので、AIを入れても時間が減りません。

だから、見積もりはこう変わります

ここが本題です。工程ごとに効き方が違うので、見積もりの項目によって下がるものと下がらないものが出ます。

見積もりの項目 AIの影響
原稿作成・ライティング 下がります
図解・簡単なイラスト 下がります
ディレクション・打ち合わせ 変わりません
デザイン 変わりません
写真撮影 変わりません
サーバー・ドメイン費用 変わりません

下の4つは、AIとは関係のないところで金額が決まります。打ち合わせの回数は減りませんし、サーバー代は誰が作っても同じです。

だから「AIを使っているから半額」ということにはなりません。下がるのは、全体のうち原稿と図解にあたる部分だけです。

見積書の項目そのものの読み方は、ホームページ制作の見積書の読み方に費目ごとの解説を出しています。

💡 浮いた時間は、どこへ行っているか

正直に申し上げると、AIで浮いた時間のすべてを値下げに回してはいません。一部は調査と修正対応に回しています。原稿が早く上がるぶん、業界の下調べや公開前の確認に時間を使えます。安くなった部分と、質に回した部分の両方があるとお考えください。

人がやる工程を削ると、あとで高くつきます

逆の話もしておきます。AIを入れて安くできる部分がある一方で、削ってはいけない工程があります。

先ほどの図で「人がやっている」とした4つが、それです。とくに事実確認と法令チェックは外せません。

⚠️ AIは、それらしい数字を書いてきます

料金表や資格、実績の件数を、確認しないまま「それらしい内容」で埋めてくることがあります。読む側は本物と区別がつきません。そのまま公開すると、書いた事実の責任は事業者が負います。1行ずつ確認する工程は、どうしても人の時間が必要です。

これは私たちの実感だけの話ではありません。先の白書では、企業が生成AIに感じているリスクとして、「社内情報の漏洩などのセキュリティリスク」が最も高く、次いで「出力結果の精度に問題がある」「著作権等の権利を侵害する可能性がある」の順に高い結果が出ています。

精度と権利。まさにここを人が見ないと、事故になります。

医療や士業のように広告のルールがある業種では、さらに重くなります。表現ひとつで問題になるため、法令の確認は工数として見込んでおいてください。

※お手元の見積もりで「この項目は何の作業か」が分からなければ、無料でご相談いただけます(他社さんのものでも構いません)。

「AI活用で激安」の見積もりは、ここを見てください

AIを前面に出した安い見積もりも増えています。それ自体が悪いわけではありません。安さの理由がどこにあるかで判断してください。

確認しておきたい4点

  • ✓原稿の事実確認は誰がやるのか(発注側の作業になっていないか)
  • ✓打ち合わせは何回まで含まれるか
  • ✓公開後にフォームが届くかの確認は、どちらがやるか
  • ✓修正は何回までか。文章の差し替えは修正に数えるのか

1つ目がいちばん大事です。AIで安くした結果、確認作業が発注側に移っているだけのことがあります。それなら安いのは当然ですが、自社の手間は増えます。

安さの理由を確かめる視点は、格安ホームページ制作はなぜ安い?にもまとめています。AIかどうかを問わず、見るところは同じです。

発注する側も、AIで費用を下げられます

最後に、いちばん実行しやすい話をします。発注する側がAIを使うと、見積もりは実際に下がります。

理由は単純で、原稿作成の工数が減るからです。先の表のとおり、AIで下がるのは原稿と図解の部分です。そこをご自身で用意すれば、その分の費用は乗りません。

⭕ 発注前にやっておくと効くこと

  • ✓サービス内容をAIに話して、下書きを出させる
  • ✓料金・資格・実績は自分で1行ずつ直す
  • ✓よく聞かれる質問を10個書き出す(そのままFAQになります)
  • ✓載せたい写真を先に選んでおく

完璧な原稿でなくて構いません。箇条書きでも、AIの下書きに赤を入れた程度でも十分です。白紙から取材して書き起こすのと比べると、かかる時間がまるで違います。

制作が止まる原因の多くは原稿です。ここが先に片付いていると、費用だけでなく納期も短くなります。用意するものの一覧はホームページ制作を依頼する前に準備するものにあります。

なお、AIで自分だけで作りきる場合の話はAIでホームページは作れる?にまとめました。どこまでできてどこで止まるかを書いています。

どこを自分でやれば安くなるか、お伝えします

「予算内でどこまでできますか」というご相談が多いです。どの工程をご自身で持てば費用が下がるかを、具体的にお伝えします。他社さんの見積もりを見ながらでも構いません。無料です。いきなり発注ではありませんし、しつこい営業もしません。

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よくある質問

QAIを使っているかどうか、見積もりの段階で聞いていいですか?

聞いて差し支えありません。答えにくい質問ではないはずです。むしろ「どの工程で使っていて、事実確認は誰がやるのか」まで聞ければ、作業範囲がはっきりします。

QAIで作った原稿だと、品質が落ちませんか?

下書きとして使い、人が事実と表現を直す前提であれば落ちません。問題になるのは、確認せずにそのまま載せる場合です。誰が最終確認をするのかを決めておけば防げます。

Q自分で用意した原稿を渡すと、どのくらい下がりますか?

ページ数と内容によるので一律には言えません。ただ原稿作成は見積もりの独立した項目になっていることが多いので、その項目が減るぶんは効きます。見積もりを取るときに「原稿は自社で用意する場合」の金額も併せて聞いてみてください。

Q写真もAIで作れば安くなりますか?

図解やイメージ画像なら現実的です。ただ実在の店舗・スタッフ・商品は、実際に撮った写真にしてください。実物と違う画像を載せると、信頼の問題だけでなく表示の適正さの問題にもなります。

参考情報

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まとめ

「AIを使っているなら安くなるのか」への答えは、一部は安くなるです。半額にはなりません。

下がるのは原稿と図解の部分です。打ち合わせ、デザイン、写真撮影、サーバー代は、AIとは別のところで金額が決まります。見積もりの項目ごとに効き方が違うとお考えください。

そして、削ってはいけない工程があります。要件を決めること、事実と法令を確認すること、デザインを決め込むこと、公開して動作を確かめること。ここを省いた安さは、あとで手戻りになります。

いちばん効くのは、発注する側がAIで原稿の下書きを用意することです。費用も納期も動きます。どこをご自身で持てば下がるか、具体的にお伝えできますのでお声がけください。