AIで書いた文章をそのままサイトに載せる前に|確認すべき5点

ChatGPTに会社紹介の文章を書かせてみたら、思ったよりちゃんとしたものが出てきた。このまま載せてしまっていいのだろうか。

最近、こういうご相談をよくいただきます。結論からお伝えすると、AIで書くこと自体には何の問題もありません。

問題になるのは、出てきた文章を読まずにそのまま載せることのほうです。

この記事では、AIが書いた文章をサイトに載せる前に確認したい5点を挙げます。先にお伝えしておくと、このメディアの記事も、下書きの段階ではAIを使っています。そのうえで人がどこを見ているかを、包み隠さず書きます。

📋 この記事でわかること
  • ✓AI生成コンテンツについてGoogleが示している方針
  • ✓公開前に確認すべき5点と、その見つけ方
  • ✓いちばん事故が起きやすいのはどこか
  • ✓法律に触れる表現が混ざりやすい業種
  • ✓確認を手順にして、抜けを防ぐ方法

AIで書くこと自体は、問題ありません

まず、不安の出どころを取り除いておきます。「AIで書いた文章はGoogleに評価されないのではないか」という心配です。

Googleは生成AIによるコンテンツについて、方針を公開しています。そこではAIの利用そのものを禁止してはいません。むしろ「生成AIは、あるトピックを調査したり、オリジナルコンテンツに構造化データを追加したりする際に特に便利です」と述べています。

一方で、問題になる使い方も明示されています。ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成する使い方です。これは「大量生成されたコンテンツの不正使用」としてスパムポリシー違反にあたるとされています。

線を引いているのは「作り方」ではなく「中身」

ここを読み違えている方が多い印象です。Googleが見ているのは、人が書いたかAIが書いたかではありません。

読んだ人の役に立つ中身があるかどうか。そして、正確性と品質が保たれているかどうかです。

つまりAIを使うことは問題ではなく、確認せずに量を出すことが問題だということになります。

💡 私たちの場合

この記事も、下書きはAIに書かせています。ただし数字と法令は人が原典に当たって確認し、自社の実績にはAIを触らせないというルールを決めています。理由は、これから挙げる5点のうち2つが、まさにそこで事故るからです。

公開前に確認する5点

ここからが本題です。順番に見ていきます。

1

数字と事実
一次情報と合っているか

2

自社の実態
書かれた内容と現実が一致するか

3

法律に触れる表現
薬機法・景表法まわり

4

一般論になっていないか
他社と同じ中身

5

自社の言葉か
話し方のズレ

【1】数字と事実が、一次情報と合っているか

AIは、それらしい数字を自然な文章のなかに書き込んできます。読んでいて違和感がないので、そのまま通ってしまいます。

制度の名称、補助金の金額、統計の数値、法律の施行日。このあたりは必ず公式サイトで現物を確認してください。

特に危ないのは「昔は正しかった情報」

まったくの出まかせよりも、やっかいなのが以前は正しかったが、いまは変わっている情報です。

AIが学習している情報には時点があります。制度が変わっていても、変更前の内容をそのまま書いてくることがあります。

実例を挙げます。中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、2026年4月から対象が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。ところがAIに聞くと、多くの場合「30万円未満」と返ってきます。

しかも厄介なことに、この件は国税庁の解説ページ自体が「令和7年4月1日現在法令等」として30万円のまま案内されていました。公式サイトを見たから最新とは限らない、ということです。

詳しくはホームページ制作費の勘定科目と経費処理で扱っていますが、ここで申し上げたいのは、お金と制度の話が出てきたら、必ず日付を確認するということです。

【2】自社の実態と食い違っていないか

5点のなかで、いちばん事故が起きやすいのがここです。そして、いちばん見落とされます。

AIは、会社紹介の文章を書かせると、自然な流れで実績や強みを書いてきます。ただしそれは、あなたの会社の事実ではありません。文脈からそれらしく作られた文章です。

よく混ざってくる、書いた覚えのない文言

こういう一文が紛れ込みます
  • ✕「創業以来、地域で多数の実績を重ねてまいりました」
  • ✕「お客様満足度の高さには自信があります」
  • ✕「24時間365日、迅速に対応いたします」
  • ✕「有資格のスタッフが多数在籍しております」
  • ✕「業界最安値でご提供します」

どれも、よくある会社紹介の言い回しです。だからこそAIは自然に書いてきます。

しかし、夜間対応をしていないのに「24時間365日」と書いてあれば、それは事実と違います。問い合わせた人との間で、そのままトラブルになります。

お客様の声を「作らせる」のは、絶対にやめてください

強くお伝えしたい点です。AIに「お客様の声を5件作って」と頼めば、それらしいものが5件出てきます。

これを実在するお客様の声として載せるのは、してはいけません。実際にない評価を掲載することは、景品表示法上の問題になり得ます。

導入事例、施工事例、受賞歴も同じです。事実でないものを、事実として書かない。ここだけは例外がありません。

【3】法律に触れる表現が混ざっていないか

扱う商品やサービスによっては、表現そのものが法律で制限されています。AIはその線引きを正確には守ってくれません。

効果をうたう表現(薬機法)

化粧品、健康食品、サロン、整体などを扱う場合に関わってくるのが、医薬品医療機器等法(薬機法)です。

この法律では、虚偽・誇大な広告が禁止されています。注意していただきたいのは、この規定が「何人も」を対象としている点です。広告主だけでなく、関わった人が対象になり得るということです。

また、厚生労働省の医薬品等適正広告基準は、ウェブサイトやSNSも対象媒体に含めています。紙の広告だけの話ではありません。

健康食品に医薬品のような効能効果を書けば、承認を受けていない医薬品の広告とみなされる可能性もあります。「治る」「効く」「改善する」といった言葉には、特に注意してください。

品質や価格を実際より良く見せる表現(景品表示法)

もうひとつが景品表示法です。こちらは業種を問いません。

実際よりも著しく優良だと示す表示(優良誤認)と、価格や取引条件を実際より有利だと示す表示(有利誤認)が禁止されています。

ここで知っておいていただきたいのは、わざとでなくても対象になるという点です。誤って表示してしまった場合でも、規制の対象になり得ます。

「AIが勝手に書いたので」という説明は通りません。載せた時点で、それは自社の表示です。

⚠️ 迷ったら専門家へ

ここで書いているのは一般的な考え方です。どの表現が問題になるかは、商品の区分や文脈によって変わります。医療・健康・美容・金融など規制の強い分野を扱う場合は、公開前に弁護士や業界団体、所管の窓口にご確認ください。私たちは制作者であって、法律の専門家ではありません。

【4】どこかで読んだような一般論になっていないか

ここからは、法律ではなく成果に関わる話です。

AIが書く文章は、平均的にうまくまとまります。裏を返せば、同じ質問をした他社も、似た文章を手にしているということです。

「丁寧なヒアリングを心がけています」「お客様に寄り添った対応をいたします」。間違ってはいませんが、これを読んで他社と比べる材料にはなりません。

具体を1つ足すだけで、文章は変わります

直し方は難しくありません。一般論の一文に、自社でしか書けない具体を1つ足すだけです。

AIが書きがちな一文 具体を足すと
丁寧なヒアリングを心がけています 初回は1時間ほど伺い、現場を見てから見積もりを出します
短納期にも対応可能です 最短で翌営業日、通常は3日いただいています
幅広い実績がございます 工場と店舗の改修が中心で、住宅は請けていません

右の書き方は、AIには作れません。あなたの会社にしかない情報だからです。

できないことを正直に書いている点にも注目してください。読む側は、何を請けないかが書いてある会社を信用します。

【5】話し方が、自社の言葉になっているか

最後は細かいようで、実は効いてくる部分です。

AIの文章には癖があります。読み慣れている人には、すぐ分かります。

AIっぽさが出やすいところ
  • ✕「〜することが重要です」が何度も出てくる
  • ✕「これにより」「したがって」でつないでいく
  • ✕「〜する場合もあります」で結論をぼかす
  • ✕同じ文末が3回以上続く
  • ✕社長が普段使わない敬語や専門用語が混ざる

最後の1つが、いちばん大事だと思っています。

電話で話したときの社長と、サイトに書いてある文章の印象が違いすぎると、読んだ人は戸惑います。とくに、お客様と直接会う仕事ではそれが顕著です。

直し方は簡単で、声に出して読んでみてください。言いにくいところが、自分の言葉になっていない場所です。

確認を、手順にしてしまう

5点を頭に入れておくだけでは、忙しいときに抜けます。公開前のチェックとして、順番を決めてしまうのが確実です。

私たちが実際にやっている流れを、そのまま書きます。

公開前チェックの順番
  • ✓数字・制度名・日付に印をつけ、公式サイトで1つずつ確認する
  • ✓自社の実績・体制・料金に関する記述を、社内の事実と突き合わせる
  • ✓「必ず」「最安」「No.1」「完全に」を検索して、根拠がなければ消す
  • ✓各見出しに、自社にしか書けない具体が1つあるか見る
  • ✓声に出して通し読みし、引っかかった箇所を書き直す

慣れれば、1ページあたり15分ほどで終わります。3番目の「断定語を検索して消す」だけでも、かなりの事故が防げます。

なお、原稿づくりそのものに困っている場合は、ホームページ制作を依頼する前に準備するものもあわせてご覧ください。

AIを使ってホームページ自体を作れるかという話はAIでホームページは作れる?、制作会社がAIをどう使っているかはホームページ制作会社はAIをどう使っているかで扱っています。

※ 書いた文章をそのまま見ていただくこともできます。制作のご相談は無料です。

よくある質問

QAIで書いたことを、サイトに明記する必要はありますか?

法律上の義務はありません。Googleも、コンテンツの作り方を透明に伝えることを推奨してはいますが、表示を必須とはしていません。判断はサイト運営者に委ねられています。読者が知りたいのは作り方より中身なので、書くかどうかより、内容の確認に時間を使うことをおすすめします。

QAIが書いた文章の著作権は、どうなりますか?

利用するサービスの規約によって扱いが異なるため、まずは使っているツールの利用規約をご確認ください。加えて、生成された文章が既存の著作物と似てしまう可能性もゼロではありません。長い文章をそのまま使う場合は、特徴的な表現を検索してみると安心です。判断に迷う場合は専門家にご相談ください。

Q制作会社に頼んだ原稿も、AIで書かれているのでしょうか?

使っている会社は増えています。気になる場合は、契約前に「原稿作成にAIを使いますか」「使う場合、事実確認は誰が行いますか」と聞いてみてください。大事なのは使うかどうかではなく、確認の工程があるかどうかです。そこを明確に答えられる会社であれば、心配は要りません。

Qすでに公開してしまった文章は、どうすればいいですか?

慌てて全部消す必要はありません。優先順位をつけて、料金・実績・効果に触れているページから確認してください。事実と違う記述と、断定的な表現の2つを直せば、大きなリスクはひととおり片づきます。トップページと問い合わせに近いページから手をつけるのが効率的です。

参考情報

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まとめ

AIで文章を書くこと自体に、問題はありません。Googleも利用を禁止してはいません。

気をつけるのは、確認せずに載せることです。確認すべきは5点でした。

数字と事実/自社の実態/法律に触れる表現/一般論になっていないか/自社の言葉か。

このうち、事故が起きやすいのは2番目です。AIは、あなたの会社にない実績を、自然な文章として書いてきます。事実でないものを事実として載せない。ここだけは必ず守ってください。

そして、成果に効くのは4番目です。一般論の一文に、自社にしか書けない具体を1つ足す。その積み重ねが、他社と並んだときの差になります。

まずは、いま公開しているトップページを声に出して読んでみてください。引っかかるところが、手を入れる場所です。

書いた文章を見てほしいだけでも構いません

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