「ホームページを作れば、そのうち問い合わせが来ると思っていました」
公開から1年たって、そう言われることがあります。作りはきれいで、会社の情報も載っている。それでも何も起きない。
理由はだいたい同じです。ホームページは、人を連れてくる装置ではないからです。
総務省の令和7年通信利用動向調査によると、自社ホームページを開設している企業は93.3%。建設業97.2%、不動産業97.5%と、業種によってはほぼ全社が持っています。つまり持っていること自体は、もう差になりません。
この記事では、集客できるサイトとそうでないサイトが何で分かれるのか、そして直す順番を書きます。順番を間違えると、お金だけが出ていきます。
ホームページは「着地点」であって、経路ではありません
最初にここを揃えておきたいです。
お店で例えると分かりやすいです。ホームページは店舗で、集客は「どうやってその店の前まで来てもらうか」の話です。どれだけ内装をきれいにしても、看板も地図もチラシもなければ、人は前を通りません。
サイトだけを作り直して「反応が変わらない」となるのは、この構造が理由です。内装を替えただけだからです。
つまり「集客できるホームページ」とは、経路がつながっていて、来た人を取りこぼさないサイトのことです。どちらか片方では成立しません。
💡 ポイント
すでに公開していて「問い合わせが来ない」原因を切り分けたい場合は、ホームページを作ったのに問い合わせが来ない|原因の見つけ方と直し方をご覧ください。この記事はこれから作る・作り直す方向けの設計の話です。
人が来る経路は、5つしかありません
新しい集客手段を探し続けている方がいますが、経路そのものは増えません。整理すると5つです。
| 経路 | 向いている業種 | 出るまでの時間 |
|---|---|---|
| 検索 | 業者を探される業種(BtoB・専門サービス) | 数か月〜 |
| 地図 | 実店舗・訪問型(飲食・整体・クリニック) | 早い |
| SNS | 見た目で選ばれる業種(飲食・美容・小売) | 続ければ中期 |
| 広告 | すぐ客を取りたい・繁閑差が大きい業種 | 即日 |
| 紹介・名刺 | ほぼ全業種(とくにBtoB) | すぐ |
表の最後にある「紹介・名刺」を軽く見ないでください。
実務でいちばん多いのが、この経路です。名刺を渡した相手、人づてに聞いた相手が、会社名で検索して最初に見るのがホームページです。ここで古いサイトが出てくると、紹介そのものが弱まります。
検索やSNSを始める前に、まずこの受け皿を整えるほうが早く効きます。
自社に必要な経路は「お客様がどう探すか」で決まります
業種で決まると思われがちですが、正確にはお客様の探し方で決まります。
たとえば整体院なら、多くの人は「地域名+整体」で検索するか、地図アプリで近い順に見ます。この場合、最初に手を入れるのはサイトのデザインではなくGoogleビジネスプロフィールです。
BtoBの製造業なら話が変わります。担当者は業務時間中に検索して、比較して、社内に共有します。この場合は検索で見つかることと、社内で回しても恥ずかしくない資料性が要ります。
飲食店なら地図とSNSが主、サイトは「営業時間とメニューを確かめる場所」です。役割が違います。
最後の質問が現実的です。続ける人がいない経路は、選ばないほうがいいです。SNSは3か月で止まり、ブログは5本で止まる。よくあることです。止まったものは資産になりません。
直す順番を間違えると、お金が溶けます
ここがこの記事の本題です。やることは多くありませんが、順番が決まっています。
多くの方が、5番から手をつけます。広告を出す、SNSを始める、SEO会社に頼む。気持ちは分かります。動いている感じがするからです。
ただ1〜4ができていないサイトに人を送ると、来た分だけ逃げていきます。穴の空いたバケツに水を足している状態です。広告費は毎月出ていきますが、残るものがありません。
順番どおりなら、1〜4は数万円〜数十万円の範囲で終わることが多いです。そのうえで5を始めれば、同じ予算でも結果が変わります。
1のスマホ表示はホームページがスマホで見づらいと何を損しているか、4の料金の出し方はホームページ制作の費用相場が参考になります。
※自社はどの段階でつまずいているのか、無料でご相談いただけます。今のサイトを一緒に見ながらお伝えします。
よくある3つの誤解
相談の場でよく出てくる3つです。どれも「完全な間違い」ではないのが、ややこしいところです。
誤解1:デザインを新しくすれば問い合わせが増える
増えることもあります。ただし増えるのは、もともと人が来ていた場合だけです。
月に10人しか訪問者がいないサイトをきれいにしても、10人が少し好印象になるだけです。まず経路を作らないと、変化は測れません。
一方で、見た目が古いことで紹介経由の人が離れていることはあります。名刺を見て検索した相手が「ここ、まだやってるのかな」と感じるレベルなら、作り直す価値があります。
誤解2:ブログを書けば検索から人が来る
これも条件つきです。書けば来るのではなく、検索されている言葉に答えた記事だけが読まれます。
「今日は〇〇に行ってきました」という記事をいくら足しても、検索からは来ません。反対に、お客様によく聞かれる質問に答える記事は読まれます。
ただし時間はかかります。始め方はコンテンツSEOの始め方にまとめています。
誤解3:SEO会社に頼めば上位に出る
順位を保証する話には注意してください。検索順位は検索エンジン側が決めるもので、外部の会社が確約できるものではありません。
やること自体は地味です。ページの中身を検索意図に合わせる、更新を続ける、他のサイトから紹介される。近道はありません。
月額を払う前に「具体的に何をするのか」「何を見て成果と判断するのか」を聞いてください。答えられない相手なら、契約は見送って構いません。
成果が出る順番と、見る数字
集客の数字は、いきなり問い合わせが増えるわけではありません。順番に動きます。
まず検索結果に出た回数(表示回数)が増えます。次にクリックが増えます。最後に問い合わせが増えます。この順番を知らないと、途中でやめてしまいます。
見るのは3つで足ります。表示回数・クリック数・問い合わせ件数です。PV(ページの表示回数)を毎日眺めても、判断材料にはなりません。
公開直後は、そもそも検索結果に出ません。検索エンジンに認識されるまで時間がかかるためです。公開後の進め方はホームページ公開後の最初の3ヶ月にやることに書きました。
制作会社に「集客できます」と言われたら
最後に、発注前の話です。
集客に強いと言う会社は多いです。判断するには、次の3つを聞いてください。
聞くのはこの3つです
- どの経路で集客する想定ですか(検索か、地図か、広告か)
- 何を見て成果と判断しますか(順位か、表示回数か、問い合わせ件数か)
- 公開後、誰が何をしますか(更新は自社か、相手か)
この3つに具体的に答えられる会社なら、話を進めて問題ありません。曖昧なまま「とりあえず作りましょう」となる場合は、作った後に止まります。
見積もりの読み方はホームページ制作の見積書の読み方、選び方の基準は失敗しないホームページ制作会社の選び方をご覧ください。
よくある質問
Q今のサイトを作り直すべきか、経路づくりから始めるべきか迷っています。
スマホで読めて、何屋か分かって、連絡先があるなら、作り直しは後で構いません。先に経路を作ってください。この3つのどれかが欠けているなら、先にサイト側を直すほうが結果的に安く済みます。
Q経路は全部やったほうがいいですか?
1つか2つに絞ってください。全部やると、どれも中途半端になります。直近のお客様の来た経路を数えて、多いものから手をつけるのが確実です。
Q広告を止めると問い合わせもゼロになります。どうすればいいですか?
広告は「止めたら止まる」経路です。だから広告を回している間に、検索や地図など残る経路を並行して育ててください。広告だけに依存すると、費用を下げられなくなります。
Qどれくらいで成果が出ますか?
経路によります。広告と地図は早く、検索は数か月かかります。期間を約束する会社もありますが、検索順位は保証できるものではありません。まず表示回数が動くかを1〜2か月見てください。
参考情報
- 令和7年 通信利用動向調査報告書(企業編)PDF|総務省
- ビジネス プロフィールの管理を開始する|Google ビジネス プロフィール ヘルプ
- SEO スターター ガイド|Google 検索セントラル
- 景品表示法|消費者庁
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- ホームページがスマホで見づらいと何を損しているか|直し方と費用の目安
- コンテンツSEOの始め方|広告費を下げながら集客を増やす5ステップ
まとめ
ホームページは着地点です。人を連れてくるのは、検索・地図・SNS・広告・紹介という5つの経路のほうです。
自社に必要な経路は、業種ではなくお客様の探し方で決まります。直近10件のお客様がどこから来たかを数えれば、だいたい見当がつきます。
そして順番です。スマホで読める → 何屋か分かる → 連絡できる → 実績と料金がある → 経路をつくる。この5番から始めると、来た人が逃げるだけでお金が残りません。
開設率93.3%の今、持っているかどうかはもう差になりません。差がつくのは、経路がつながっているかと、来た人を取りこぼさないかの2点です。
まずは今日、直近10件のお客様がどこから来たかを紙に書き出してみてください。そこから始まります。
どこから直すかだけでもご相談ください
合同会社Zekkでは、ホームページ制作・LP制作のご相談を承っています。今のサイトを一緒に見ながら、経路と受け皿のどちらがボトルネックかをお伝えします。
作り直しが不要な場合は、そうお伝えします。ご相談は無料で、しつこい営業はいたしません。
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