ホームページに予約システムを入れるには|費用と選択肢

施術中に電話が鳴る。手を止めて出る。また鳴る。

予約を電話で受けている限り、この繰り返しからは抜けられません。しかも営業時間外にかかってきた予約は、そのまま消えます。留守番電話にメッセージを残してくれる人は、思っているより少ないです。

「ホームページに予約を入れたい」というご相談は、ここから始まることがほとんどです。

ただ、いざ調べ始めると選択肢が多すぎて止まってしまう方も多い。無料でできるものから、数十万円かかるものまで並んでいて、自分の店にどれが合うのか分からない。

この記事では、その選び方と費用を整理します。結論を先に言うと、多くの場合は外部の予約サービスを埋め込むだけで足ります。自社で作る必要があるのは、つなぎたい仕組みが他にあるときだけです。

📋 この記事でわかること
  • ✓予約の入れ方は3通り。どこで選び分けるか
  • ✓予約サービスの料金と、月額以外にかかるお金
  • ✓入れたのに電話が減らない、いちばん多い原因
  • ✓無断キャンセルを減らす仕組みの入れ方
  • ✓自社で作ったほうがいい場合の見分け方

選択肢は3つ。分かれ目は「他の仕組みとつなぐかどうか」

まず全体像です。予約をホームページで受ける方法は、大きく3つに分かれます。

やりたいことで、選ぶものが変わります時間の枠を押さえてもらえれば足りる外部サービスを埋め込むサイトの中で完結させ見た目も揃えたいサイトに組み込む顧客台帳・在庫・複数店舗とつなぎたい自社で作る
上から順に検討します。下へ行くほど費用は上がるので、上で足りるなら上で決めてください。

上から順に見ていってください。上で足りるなら、上で決めるのが正解です。下に行くほど自由度は上がりますが、費用も手間も増えます。

それぞれの違いを並べます。

方法 費用の目安 向いている場合
外部サービスを埋め込む 月額0円〜1万円台+初期の設定 予約が「日時と人数」で表せる。店舗が1〜数店
サイトに組み込む 初期10〜40万円前後+月額 サイトの中で完結させたい。見た目を揃えたい
自社で作る 数十万円〜(要件で大きく変動) 顧客台帳・在庫・複数店舗の枠と連動させたい

はじめての導入で、いきなり3番目を選ぶ必要はまずありません。まず1番目を試して、足りなければ動く。この順番で困ることは、ほとんどないです。

💡 ポイント

外部サービスは、あとから乗り換えられます。先に完璧な仕組みを選ぼうとして半年止まるより、月額のかからないプランで来月から始めるほうが早いです。

料金は、月額だけでは決まりません

「月額いくらですか」と聞かれることが多いのですが、実際に出ていくお金は月額だけではありません。

まず、代表的なサービスの公開料金を見てみます。いずれも2026年9月時点の公式サイトの表示です。

サービス 月額 無料プランの主な制限
STORES 予約 0円/3,300円/9,790円〜(年間契約) 月間予約50件まで・予約ページ2つまで
Airリザーブ 0円/5,500円/11,000円(税込) 予約件数は無制限だが、リマインドメール・複数店舗切り替え・Googleカレンダー連携などが使えない

この表で見ていただきたいのは金額そのものではなく、無料プランで何が使えないかのほうです。

Airリザーブの無料プランは予約件数が無制限ですが、リマインドメールが送れません。リマインドは無断キャンセルを減らすうえで効く機能なので、ここが無いのは実は痛いところです。

月額以外にかかるものも、先に把握しておいてください。

月額のほかに発生するお金
1決済手数料

予約時にクレジットカードで前払いを受けるなら、売上に対して数%の手数料がかかります。STORES 予約は事前決済の手数料を3.3%〜と案内しています(中小特別料率が適用される場合)。プランによって率が変わる点に注意してください。

2初期の設定作業

メニュー、所要時間、スタッフ、営業時間、休業日、受付を締め切る時間。ここを登録する作業が地味に重いです。制作会社に頼む場合は、この設定作業が工数として乗ります。

3運用の手間

臨時休業や枠の変更を、誰がいつ入れるか。ここを決めずに始めると、数か月で「実際の空きと違う」状態になります。そうなると電話確認が復活して、元に戻ります。

見積もりに「予約システム導入」とだけ書かれていたら、設定作業がどこまで含まれるかを確認してください。見積書の読み方はホームページ制作の見積書の読み方にまとめています。

入れたのに電話が減らない、いちばん多い理由

予約システムを導入したのに、結局これまでどおり電話が鳴っている。そういうご相談をいただくことがあります。

原因はシステムではなく、たどり着けていないことがほとんどです。

トップページ予約ページ入力・送信予約ボタンが見つからない見た目が変わり不安になる入力項目が多すぎる入れる前に、たどり着けるかを確かめる
予約システムを入れても電話が減らないときは、たいていこの3か所のどれかで落ちています。

順番に見ていきます。

予約ボタンが、トップページにない

メニューの中に「ご予約」が入っているだけ、という状態をよく見ます。スマートフォンだと、メニューは三本線をタップしないと開きません。一手間あると、人は電話に戻ります。

画面の下に固定で出る予約ボタンを置いてください。スクロールしてもついてくる、あの帯です。これがあるかないかで、行き着く人の数が変わります。

外部サービスに飛んだ瞬間、見た目が変わる

埋め込み型を使うと、予約ページだけ別サイトのデザインになることがあります。

こちらは仕組みを知っているので気になりませんが、初めて訪れた人は「別のサイトに飛ばされた」と感じます。店名とロゴが出ているかどうかだけでも確認してください。多くのサービスは、予約ページに店舗のロゴや色を設定できます。

入力項目が多い

予約に住所は要りません。年齢も、たいていの場合は不要です。

名前と連絡先と、日時とメニュー。まずはここまでで受けて、残りは来店時に伺う。この割り切りが件数に効きます。項目数と件数の関係は、問い合わせフォームの作り方で詳しく扱っています。

無断キャンセルを減らす仕組みを、最初から入れる

予約が取りやすくなると、必ず出てくるのが無断キャンセルです。電話予約より心理的なハードルが下がるぶん、ここは避けて通れません。

対策は3つあります。

⭕ 効果が出やすい順
  • ✓前日のリマインドメールを自動で送る。単純に、忘れている人が一定数います
  • ✓キャンセル規定を予約画面に出す。同意のチェックを入れてもらう形にする
  • ✓事前決済にする。いちばん効きますが、予約のハードルも上がります

最初の2つは、どちらも追加費用がほとんどかかりません。リマインドは有料プランの機能になっていることが多いので、そこだけ確認してください。

3つめの事前決済は、慎重に判断してください。無断キャンセルはほぼ無くなりますが、「とりあえず押さえておこう」という予約も同時に減ります。高単価で席数が限られている業態なら有効ですが、気軽に来てほしい業態では逆効果になることがあります。

⚠️ キャンセル料を決めるときの注意

キャンセル料は自由に決められるわけではありません。消費者契約法は、事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効としています。実際にかかった損害とかけ離れた金額を設定しないでください。金額の妥当性に不安があるときは、業界団体や専門家にご確認ください。

自社で作ったほうがいいのは、こういうときです

ここまで外部サービスをおすすめしてきましたが、それでは足りない場合もあります。

私たちは制作会社ですが、システム開発も自社で行っています。そのうえで申し上げると、作るべきケースはそれほど多くありません。当てはまるのは、だいたい次のような場合です。

既製のサービスでは難しいこと
  • ›すでに使っている顧客管理や会計の仕組みと、データを行き来させたい
  • ›複数店舗で在庫や設備の枠を共有し、片方で埋まったらもう片方も閉じたい
  • ›予約の単位が「人 × 設備 × 時間」のように複数の条件で決まる
  • ›予約後の工程(見積もり、当日の作業記録、請求)まで一続きにしたい

判断の目安をひとつ挙げるなら、既製のサービスに合わせて業務のやり方を変えられるかです。

変えられるなら、既製のサービスで構いません。業務のほうを変えられない事情があるときだけ、作る話になります。「うちは特殊なので」とおっしゃるお客様の8割くらいは、実際には既製のサービスで足ります。そこを正直にお伝えするのが、私たちの仕事だと思っています。

なお、作る場合でも、いきなり全部を作る必要はありません。予約の受付だけ既製のサービスを使い、そこから出てくるデータを自社の仕組みに流す。この組み合わせで済むことも多いです。

予約を受ける前に、決めておく3つのこと

仕組みを入れる前に、決めておいたほうがいいことがあります。あとから足すと、告知のしかたに困ります。

① キャンセルの規定

何日前まで無料か。それ以降はどうするか。無断キャンセルの場合は。

この3つを文章にして、予約画面と予約完了メールの両方に入れてください。メールに残っていることが大事です。

② 予約情報の扱い

名前、連絡先、来店履歴。これらは個人情報にあたります。何のために使うのかを決めて、サイトで公表してください。個人情報保護法は、取得にあたって利用目的を本人に通知するか公表することを求めています。

プライバシーポリシーのページに一項目足せば足ります。予約フォームからそのページへリンクを張っておいてください。

③ 前払いを受ける場合の表示

事前決済を入れるなら、ネット上で代金を受け取ることになります。この場合、特定商取引法にもとづく表示が必要になります。

事業者名、所在地、連絡先、支払い方法と時期、返品や解約の条件。このあたりを1ページにまとめて公開します。すでに通販をされていれば同じページで足りますが、無い場合は新しく用意してください。

よくある質問

Q電話予約はやめてしまっていいですか?

残してください。年配のお客様が多い業種ではとくにそうです。ネット予約を入れる目的は電話を無くすことではなく、営業時間外の取りこぼしを拾うことと、日中の手を止める回数を減らすことです。両方あって困ることはありません。

Q導入までどれくらいかかりますか?

外部サービスを埋め込むだけなら、メニューと営業時間が整理できていれば数日で動きます。時間がかかるのは設定ではなく、「何分の枠で、誰が、どのメニューを受けるか」を決める作業のほうです。ここが曖昧なまま始めると、あとで組み直しになります。

Qサービスを乗り換えるとき、予約のデータは移せますか?

サービスによります。顧客情報をCSVで書き出せるものが多いですが、過去の予約履歴まで持ち出せるとは限りません。契約する前に、書き出しができるかどうかを確認しておいてください。あとから乗り換える可能性は、思っているより高いです。

Q予約サイト(ポータル)に載せているので、自社サイトには不要でしょうか。

両方あるほうがいいです。ポータル経由の予約には送客手数料がかかります。自社サイトから直接入った予約には、それがかかりません。ポータルで知ってもらい、自社サイトで予約してもらう。この形にできると、同じ予約でも手元に残る額が変わります。

参考情報

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まとめ

予約システムは、まず外部のサービスを埋め込むところから始めてください。月額のかからないプランもあるので、来月から試せます。自社で作る必要があるのは、顧客台帳や在庫、複数店舗の枠とつなぎたいときだけです。

費用を見るときは、月額だけを比べないでください。決済手数料、初期の設定作業、そして毎月の運用の手間。いちばん重いのは3つめです。臨時休業を誰が入れるかを決めていないと、数か月で実際の空きと合わなくなります。

そして、入れたあとに必ず確認してほしいことがあります。スマートフォンでご自身のサイトを開いて、トップから何回タップで予約画面にたどり着くか。3回を超えていたら、そこが原因です。

まずは今日、それだけ試してみてください。

既製のサービスで足りるかの判断からご相談いただけます

合同会社Zekkでは、ホームページ制作・LP制作に加えてシステム開発も自社で行っています。既製の予約サービスで足りるのか、作ったほうがいいのか。要件を伺って、率直にお伝えします。

「まだ作ると決めたわけではない」という段階でも構いません。ご相談は無料です。しつこい営業はいたしません。

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