建設業の採用サイト|応募が来ない会社と来る会社の情報設計の違い

求人を出しても応募が来ない。来ても続かない。職人の年齢は上がっていく。

建設業の経営者の方から、この話をよく聞きます。そして多くの場合、求人媒体への掲載は続けているのに、自社サイトの採用ページだけが手つかずです。

数字で見ると状況は明確です。国土交通省の資料によると、建設業就業者は55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%。若手は1割しかいません。同じ人材を全国の会社が探しています。

この記事では、応募が来る会社と来ない会社で、サイトの何が違うのかを書きます。デザインの話ではありません。載せている情報の中身の話です。

📋 この記事でわかること
  • ✓求人媒体だけでは届かなくなっている理由
  • ✓応募が来ない採用ページの共通点5つ
  • ✓建設業の求職者が実際に見ている3点
  • ✓募集内容を書くときの法律上の決まり
  • ✓どこから作るか(1ページから始める手順)

求人媒体に出したあと、必ず社名で検索されています

求職者の動きは、ほぼ決まった順番になっています。

求人媒体やハローワークで条件を見る。気になったら会社名をそのまま検索します。そこで出てくるものを見て、応募するかを決めます。

① 求人媒体で条件を見る② 社名で検索する③ サイトを見る働く人と1日が分かる→ 応募募集要項だけ・古い→ 離脱媒体の掲載費が効くかどうかは、ここで決まります
②のあとに何が出るかで、媒体に払った掲載費が効くかどうかが決まります。

ここで出てくるのが、施工実績と会社概要だけのサイトだと、求職者は判断できません。給料や休みは媒体で分かっている。知りたいのは「どんな人が働いているか」です。

媒体の掲載費を払い続けているなら、その手前を直すほうが効きます。自社サイトの採用ページは、作ってしまえば毎月の掲載費はかかりません。

応募が来ない採用ページの共通点

建設業のサイトをいくつも見てきて、共通するパターンがあります。5つ挙げます。

✕ 応募が来ないページの共通点
  • ✕募集要項の表だけで、人が1人も写っていない
  • ✕写真が現場の遠景ばかりで、顔と手元が写っていない
  • ✕「アットホームな職場です」で説明が終わっている
  • ✕給与が「経験により優遇」だけで、幅が書かれていない
  • ✕問い合わせ先が取引先用と同じで、応募の入口がない

とくに最後の1つは、見落とされがちです。

取引先と求職者は、同じフォームから来ません。応募しようとした人が「お問い合わせ」の欄に行き当たって、そこに書かれているのが工事の相談窓口だと、そのまま閉じます。入口は分けてください。

「アットホームな職場」については、悪気がないのは分かります。ただほぼすべての会社が同じ言葉を使っています。書いてあっても情報がゼロになるので、その行を「何人でどう働いているか」に差し替えるだけで変わります。

建設業の求職者が見ているのは3点です

条件面は媒体で分かっています。サイトで見られているのは、条件の「裏付け」と、入ってからの生活です。だいたい次の3点に集約されます。

見られている点 載せる内容
誰と働くのか 社員の人数と年齢層、職長クラスの人の話、写真
1日がどう流れるか 集合時間、現場までの移動、休憩、終業、繁忙期の違い
何ができるようになるか 未経験からの手順、資格取得の支援、何年目で何を任せるか

この3つのうち、いちばん効くのは2つめの「1日の流れ」です。

未経験の人にとって、建設業は中身が見えない仕事です。何時に集まるのか。現場まで自分の車で行くのか。昼はどこで食べるのか。真夏はどうしているのか。ここが分からないから応募をためらいます。

経験者にとっても「1日の流れ」は判断材料になります。書いてある集合時間と現場の距離を見れば、実際の拘束時間がだいたい読めるからです。

「1日の流れ」の書き方の例 7:30会社に集合・積み込み8:30現場へ移動・朝礼12:00昼休憩(休憩場所も書く)17:30片付け・帰社して解散繁忙期との違いも一行添える
時間を入れるだけで具体的になります。自社の実態に合わせて書き換えてください。

そして写真です。現場の遠景写真は、採用では役に立ちません。足場やクレーンが写っていても、そこで働く人の顔が見えないからです。手元の作業と表情が写っている写真を数枚足すだけで、伝わるものが変わります。撮り方はホームページ用の写真は誰に頼む?に書いています。人物が写るものはプロに頼むのが安全です。

💡 ポイント

社員の方に話を聞くとき、「やりがい」から聞かないでください。答えが出てきません。「入る前に不安だったことは何でしたか」と聞くほうが、具体的な言葉が出ます。その不安は、いま応募を迷っている人と同じものです。

取引先向けと求職者向けは、分けて作ります

建設業のサイトは、読む人が2種類います。工事を発注する側と、働きたい人です。両方に同じページを見せると、どちらにも刺さりません。

実際の制作事例

建設業の採用ページ|制作実績

株式会社神﨑建設工業 様

足場工事一式・塗装工事/採用情報ページを新設

採用情報を独立した1ページとして設け、次の4つで構成しました。並び順にも意味があります。

1. 大事にしていること
2. 求める人物像
3. 仕事内容
4. 募集要項

条件はいちばん最後に置いています。先に条件で比べられると、規模の大きい会社に勝てないからです。あわせて、お問い合わせのページを取引先と求職者の両方が使える形に設計しました。

実際の採用情報ページを見る →

条件ではなく合うかどうかで判断してもらうほうが、入ってからの定着にもつながります。採用は、入社した人が続けてくれて初めて成果になります。

この構成は、業種が変わっても使えます。工務店・リフォーム会社・設備工事会社でも同じです。会社の規模が小さいほど、条件より「誰と働くか」で決まります。

業種ごとのサイト全体の作り方は、工務店・建築会社のホームページ制作ガイド、リフォーム会社のホームページ制作ガイド、電気工事・設備工事会社のホームページ制作ガイドをご覧ください。

※自社の場合どう分けるべきか、無料でご相談いただけます。今あるサイトを見ながらお話しできます。

休みと残業を書けるかどうかが、差になっています

2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。それまで5年間は適用が猶予されていました。

原則は月45時間・年360時間までで、特別な事情がある場合も、休日労働を含めて1か月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内という上限があります(災害の復旧・復興の事業は除かれます)。

これは労務管理の話ですが、採用の話でもあります。

求職者は、この規制が入ったことを知っています。だから「週休2日」「4週8休」「残業は月平均○時間」と書ける会社が、明らかに有利になりました。逆に、休みの記載がない求人は避けられます。

書けない状態なら、まず現場の実態を整えるほうが先です。実態と違うことを書くと、入ってすぐ辞められます。採用サイトは実態を写すものであって、実態を良く見せる道具ではありません。

募集内容の書き方には決まりがあります

採用ページに募集条件を載せるなら、法律上の決まりを押さえておいてください。

労働者を募集するときに明示しなければならない事項は決まっていて、2024年4月から項目が追加されました。従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲などが加わっています。

建設業の場合、ここは実務に直結します。現場が変わるのが前提の仕事なので、「就業場所」を1か所だけ書いて済ませられません。どの範囲まで現場が動くのかを書く必要があります。

もう1つ大事なのが、求人票とサイトの条件を食い違わせないことです。媒体には「日給1万2千円〜」、サイトには古い「1万円〜」が残っている。これは応募者の信用を落とすだけでなく、明示のルールから見ても問題になり得ます。条件を変えたら両方直してください。

⚠️ 注意

ここで書いたのは制度の概要です。自社の募集でどこまで明示が必要か、記載の仕方が適切かは個別の事情によります。記事末の参考情報(厚生労働省)をご確認いただくか、社会保険労務士や労働局の窓口にご相談ください。

どこから作るか

採用サイトを一式作ろうとすると、費用も期間も膨らみます。建設業の場合、1ページから始めるのが現実的です。

1採用ページを1枚足す既存サイトに追加
2応募の入口を分ける取引先用と別にする
3社員の写真と話を足す1人分からでよい
4反応を見て増やす1日の流れ・資格支援

この順番なら、最初の投資を小さくできます。1枚目で「誰と働くか」と「1日の流れ」が伝わっていれば、社員紹介を何人分も作らなくても応募は判断できます。

費用の目安と、採用サイト全般の作り方は採用サイト制作の費用相場と作り方にまとめています。予算から逆算したい場合はホームページ制作の予算別にできることもあわせてご覧ください。

原稿は、社員の方に話を聞いて録音するのが早いです。手順はホームページの文章が書けないときの進め方に書きました。

よくある質問

Q社員が写真に写るのを嫌がります。どうすればいいですか?

全員を出す必要はありません。1人か2人、承諾が取れた方だけで十分です。顔が難しければ、手元の作業や後ろ姿でも伝わります。載せる前に必ず本人の了解を取り、退職された場合は差し替えてください。

Q採用サイトは、会社のサイトとは別に作るべきですか?

小規模な会社なら、同じサイトの中に採用ページを置くほうが管理も費用も楽です。別サイトにするのは、新卒採用を本格的にやる場合や、募集職種が多い場合です。

Q応募フォームは必要ですか。電話だけではだめですか?

両方置いてください。電話をかけるのに抵抗がある人は一定数います。逆に、電話のほうが早い方もいます。フォームは氏名・連絡先・経験の有無くらいで足ります。項目を増やすと途中でやめられます。

Q外国人の採用も考えています。何か足すべきですか?

受け入れ体制を書いておくと問い合わせが増えます。日本語のレベル、住まいの支援、先に在籍している方がいるかどうかです。在留資格の扱いは制度が細かいので、登録支援機関や行政書士にご確認ください。

参考情報

関連記事

まとめ

若手が1割しかいない業界で、求人媒体の条件だけで選ばれるのは難しくなっています。

求職者は媒体を見たあと、必ず社名で検索します。そこに出てくるのが施工実績と会社概要だけだと、判断できずに離脱します。

載せるのは3点です。誰と働くか、1日がどう流れるか、何ができるようになるか。とくに「1日の流れ」が効きます。未経験の人にとって、建設業は中身が見えない仕事だからです。

そして、取引先と求職者の入口は分けてください。応募しようとした人が工事の相談窓口にたどり着くと、そこで終わります。

始め方は1ページからで十分です。既存サイトに採用ページを1枚足して、応募の入口を分ける。それだけでも、媒体に払っている掲載費の効き方が変わります。

採用ページを1枚足すところからご相談ください

合同会社Zekkでは、建設業の採用ページの制作実績があります(株式会社神﨑建設工業様の採用情報ページ)。今あるサイトを見ながら、何を足せば応募につながるかをお伝えします。

いきなり発注ではありません。ご相談は無料で、しつこい営業はいたしません。

無料で制作の相談をする →

Studio Experts加盟/建築・人材などの制作実績、士業・飲食の制作サンプルあり・オンライン相談で全国対応